2006 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型発現に関連する糖転移酵素の統合的な作用の解析
Project/Area Number |
16390192
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
滝澤 久夫 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90171579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 由紀子 富山大学, 教務職員 (30311674)
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30205512)
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Keywords | ABO式血液型遺伝子 / N-box配列 / ABO遺伝子上流域 / 転写制御 / アンチセンスRNA |
Research Abstract |
ABO遺伝子の発現抑制領域内のN-boxに結合するタンパク質についてワンハイブリッドスクリーニングを行った。その結果、CxxC5に加えて新たにZFP36が推測された。両タンパク質のcDNA情報を基にタンパク質発現ベクターを作製しN-boxを含む領域の発現抑制効果について、ルシフェラーゼアッセイを行った。CxxC5では活性に変化は認められなかったが、ZFP36では発現抑制効果をわずかに解除し、さらにN-boxの変異型でも活性を増加させた。このことからZFP36のN-boxにまたがる領域への関与が示唆された。さらにCxxC5及びZFP36のin vitro蛋白を用いてN-boxへの結合について、ゲルシフトアッセイを行った。その結果、両タンパク質ともN-boxへの結合は認められなかった。従ってN-boxに直接結合する未知のタンパク質を介した作用に基づくと推察された。 ABO遺伝子上流域に認められた転写産物は、約-1200/+600にわたり、ABO遺伝子に対するアンチセンス転写であった。このアンチセンスRNAの発現はABO遺伝子発現と同時に起きていることが、様々な培養細胞及び市販の組織cDNAを用いたRT-PCRの結果からわかった。一方、ABO遺伝子は転写因子Sp1の結合により活性化されることを既に報告している。そこでSp1のDNA結合インヒビターであるmithramycinを用いて、ABO遺伝子発現とアンチセンスRNA発現の相互作用を検討した。MithramycinによりABO遺伝子の転写活性及び転写量は予想通り減少した。これに対して、アンチセンスRNAの発現量は増加した。従ってABO遺伝子発現とアンチセンスRNA発現との相互作用が示唆された。
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Research Products
(1 results)