• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2006 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト悪性腫瘍に対する樹状細胞療法臨床研究とその効果の検証

Research Project

Project/Area Number 16390198
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山下 直秀  東京大学, 医科学研究所, 教授 (90174680)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中岡 隆志  東京大学, 医科学研究所, 講師 (80241256)
Keywords樹状細胞 / CAII / 腫瘍血管内皮 / 悪性黒色腫 / 癌関連抗原
Research Abstract

近年の画像診断や内視鏡などの進歩により、悪性腫瘍の早期診断や低侵襲手術療法はめざましい進歩を遂げた。その結果、早期癌の治療成績は著明な改善を示している。しかしながら、発見時に既に進行している癌の治療成績は、一部を除き以前に比べて大きな改善を見ていない。よって進行癌で手術不能かつ化学療法無効例に対しては、新しい治療が望まれている。その中で最近腫瘍免疫療法が注目を集めている。
本研究の申請者である山下は、これまでに第IV期悪性黒色腫患者10名と遠隔転移を伴う甲状腺癌患者6名に対し、腫瘍溶解液を抗原とする樹状細胞療法(第I相臨床研究)を行っている。臨床経過は悪性黒色腫ではstable disease1名,mixed response2名,progressive disease7名であった。甲状腺癌ではstable disease2名,progressive disease4名であった。悪性黒色腫でmixed responseを示した2例では、多数の転移巣の壊死とそれに続く腫瘍の縮小あるいは消失が認められた。病理学的な検索の結果、壊死は腫瘍血管の障害によって生じている可能性が高いことが判明し、壊死は液性因子によって生じている可能性が示唆された。
まず治療の反応性と血清の抗体の変化の関連について検討した。悪性黒色腫患者の凍結保存してある腫瘍を融解してホモジェナイズし、蛋白を抽出した。蛋白を電気泳動した後、1:100に希釈した患者血清を和えヤギのペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を作用させ、ウエスタンブロットを行った。その結果47kDと27kDのバンドが確認された。これまでの検討により、27KDのバンドはcarbonic anhydrase IIに対応すること、47kDのバンドはα-enolaseに対応することが明らかとなった。治療反応性と抗体の変化を調べたところ、悪性黒色腫で臨床的な反応が認められた3症例において、治療後にcarbonic anhydrase II(CAII)に対する抗体価が上昇していた。無反応例では抗体下の上昇は認められなかった。またα-enolaseの抗体価は治療に対する反応性とは関連がなかった。CAIIの意義をさらに明らかにするため、腫瘍の免疫組織化学を行った。その結果、CAIIは悪性黒色腫の腫瘍血管内皮特異的にその発現が増加して いることが判明した。悪性黒色腫の腫瘍血管におけるCAIIの発現が、悪性黒色腫に特異的か否かを検索するために、他の癌においてもCAIIの発現を検索した。肺癌、甲状腺癌、膵癌などで腫瘍血管におけるCAII発現を免疫組織化学で検討したところ、他の癌においても腫瘍血管特異的な染色が認められた。以上の結果より、CAIIは腫瘍血管特異的に発現する癌関連抗原である可能性が示された。
別に進めていた無血清培養によるヒト樹状細胞の誘導についても、これを成功させることができ、本研究計画の目的はほぼ達成された。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Results of a phase I clinical study using dendritic cell vaccinations for thyroid cancer2007

    • Author(s)
      K Kuwabara, N Yamashita, et al.
    • Journal Title

      Thyroid (印刷中)

  • [Journal Article] Regulatory dendritic cells act as regulators of acute lethal systemic inflammatory response2006

    • Author(s)
      S Fujita, N Yamashita, et al.
    • Journal Title

      Blood 107

      Pages: 3656-3664

  • [Journal Article] Role of CCL2 and CCL19 in allergic inflammation in the ovalbumin-specific murine asthmatic model2006

    • Author(s)
      N Yamashita, H Tashimo, et al.
    • Journal Title

      J Allergy Clin Immunol 117

      Pages: 1040-1046

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi