2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性膵炎(IgG4関連膵炎)感受性遺伝子のゲノムワイド検索と構造解析
Project/Area Number |
16390205
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川 茂幸 信州大学, 健康安全センター, 教授 (10177628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正穂 信州大学, 医学部, 講師 (50115333)
|
Keywords | 自己免疫性膵炎 / IgG4 / HLA / マイクロサテライトマーカ / ゲノムワイド解析 |
Research Abstract |
自己免疫性膵炎は膵管の不整狭細像、膵腫大、閉塞性黄疸、血清IgG高値、リンパ球浸潤を伴う著明な線維化、ステロイドに対する良好な反応性によって特徴づけられる特異な慢性膵炎である。われわれは本疾患患者で、血清IgG4値が高率(90%)かつ特異的に上昇し、HLA DRB1*0405-DQB1*0401 haplotypeと強い相関を認めることを報告した。しかし、これらのHLA抗原を有しない患者が40%存在し、HLA遺伝子以外にも疾患感受性遺伝子が存在する複合型遺伝性疾患と考えられ、ゲノムワイドな疾患関連遺伝子の検索を施行した。自己免疫性膵炎74例、健常人144例について、染色体をほぼ10cMでカバーするマイクロサテライトマーカーを用いて相関解析を行った。X^2テストで疾患感受性に強い相関(P<0.01、Pc<0.05)が見られたローカスの近傍(100Kb以内)に存在するマイクロサテライトを検索し再度相関解析を行い、一次解析結果の信頼性を確認した。全染色体上に設けたマイクロサテライト400種類と相関解析で患者群に強い相関(P<0.01、Pc<0.05)を示したマーカーは、18種類で感受性が12、抵抗性アリルが6であり、これらは、1,4,5,6,9,10,12,13,15,18,X染色体上に局在していた。近傍に作製したマイクロサテライトでも同様に有意な相関が確認された。強い相関を示したマイクロサテライト近傍に存在する遺伝子をNCBI Map Viewerで検索したところ、KCNA2(D1S2726)、CACNB2(D10S548)、ADRBK2(D22S315)などの遺伝子が感受性候補遺伝子として挙げられた。ゲノムワイドレベルでの相関解析から各染色体上に強い相関を示すマーカーが確認され、そのマーカー近傍に本疾患発症と関連すると思われる候補遺伝子が幾つか検索された。
|
Research Products
(17 results)