2005 Fiscal Year Annual Research Report
Neurogenesis制御や神経幹細胞補充による虚血性脳損傷修復法の確立
Project/Area Number |
16390252
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 昌泰 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20192346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 拓史 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20311813)
川上 秀史 広島大学, 病院・講師 (70253060)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / 再生医学 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
平成16年度の研究成果である虚血性損傷脳における内在性神経幹細胞活性化に関する解析に引き続き、平成17年度は、神経再生に関与する蛋白質の動態の解析と神経幹細胞補充による虚血性損傷脳の修復法について検討した。まず、神経再生を抑制的に制御するRhoキナーゼの虚血性脳損傷時の動態について、ラット脳梗塞モデル(中大脳動脈90分虚血後再灌流)を用いて検討を行った。正常のラット脳においては、Rhoキナーゼは大脳皮質、海馬の神経細胞、グリア細胞、血管内皮細胞に発現せず、虚血12時間後に血管内皮細胞に発現がすることが明らかとなった。また、血管内皮培養細胞を用いた検討では、Rhoキナーゼの働きを抑制したときに血管内皮細胞由来血管拡張因子NOを合成するeNOSの発現が抑制されることを明らかにし、虚血性脳血管障害には、RhoとRhoキナーゼ誘導による直接的な血管平滑筋の収縮のみならず、血管内皮におけるeNOS発現抑制とNO産生低下による間接的なプロセスが関与する可能性が示唆された。さらに、虚血時に梗塞巣において選択的に発現し、神経保護作用を示す様々な蛋白質の遺伝子発現を司令する転写因子HIF-1αのNeurogenesisによって新生された神経細胞の生存・維持に対する関与を解析した。HIF-1αの転写活性を制御するFIHの発現についても検討した。われわれは、マウス胚性幹細胞(ES細胞)に転写因子Nurr1を導入し、レチノイン酸等による処理を行うことにより効率的に神経細胞とオリゴデンドロサイトに分化誘導する方法を開発し報告した。ラット脳梗塞モデルを用いて、この方法を応用してES細胞から分化誘導した神経幹細胞を虚血性脳損傷部位に外来性に移植した時の動態、分化状態、神経機能回復の効果を解析した。
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Research Products
(12 results)