2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390253
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飛松 省三 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷脇 考恭 九州大学, 医学研究院, 助教授 (80284496)
後藤 純信 国際医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教授 (30336028)
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Keywords | 高次視覚認知 / 脳仮想病変 / 低頻度反復磁気刺激 / アルツハイマー病 / 軽症認知障害 / 視覚性事象関連電位 / 脳磁図 / 機能的MRI |
Research Abstract |
研究の目的 モデル脳を用いてヒトの高次視覚認知調節機構を解明する。そのために、低頻度反復磁気刺激(rTMS)による脳仮想病変患者と初期のアルツハイマー病(AD)やその予備群である軽症認知障害(MCI)患者において、顔認知、運動認知の高次視覚認知課題を負荷し、その障害パターンを心理物理学的、神経生理学的検査(視覚性事象関連電位(ERP)、脳磁図(MEG)、機能的MRI(fMRI))を用いて脳内の時空間的認知過程を明らかにする。さらに健常人、脳仮想病変患者、ADおよびMCIを比較することにより、高次視覚認知過程の脳内情報ネットワークの病態モデルを作成する。 本年度の実績 1)顔認知は4次視覚野(V4)、運動認知は5次視覚野(V5)が高次視覚中枢である。これらの機能を測定するための高次視覚認知課題を作成した。顔認知には顔写真を画像処理し、低空間周波数成分からなる顔(顔の全体像と表情)および高空間周波数成分からなる顔(顔の細部構造と同定)を作成した。種々の顔に対する心理的評価を行い、中立顔と怒り、喜び、恐怖顔などを選定した。運動視には、水平および放射状に動くコヒーレント運動課題を作成した。この課題を基に、健常若年者と老年者において認知の閾値、反応時間などの測定を行い、運動視の認知機能が加齢により変化することを心理物理学的に確認した。 2)顔認知および運動視課題を用いて視覚性ERPを記録して脳機能マッピングを行った。放射状方向の運動に特異的な電位P200が頭頂部より記録された。顔認知では、N170に続く緩徐陰性電位(N250-400)が表情処理に関与し、顔を構成する周波数成分に影響されることを証明した。 3)健常人において低頻度rTMSをV1やV5に行い、一過性の脳仮想病変が作成できるかを検討した。10分間、0.9Hzの頻度でrTMSを行うと運動視認知課題に対して、V1およびV5刺激で、閾値は変化しなかったが、反応時間が明らかに延長することを認めた。その効果は約40分持続することを確認した。
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Research Products
(7 results)