2005 Fiscal Year Annual Research Report
先天性筋ジストロフィーの分子発病機序の解析と治療法開発
Project/Area Number |
16390256
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 助教授 (50260922)
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 助手 (40286993)
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Keywords | α dystroglycanopathy / 福山型先天性筋ジストロフィー / dystroglycan / laminin / matrix metalloproteinase |
Research Abstract |
(1)Dystroglycan(DG)複合体は細胞外基底膜と細胞内骨格を強固に架橋する分子機構である.本研究ではβDGの細胞外ドメインを分解することによりDG複合体を破壊するmatrix metalloproteinase(MMP)活性を解析した.精製したβDGならびにβDGの細胞外ドメインの融合蛋白をRT4細胞,培地,また各種のMMPとインキュベートし分解を見た.RT4細胞,培地のzymography,RT-PCRを行いMMPの発現を解析した.RT4細胞培地にはβDGの細胞外ドメインを特異的に分解するMMP活性が存在した,この活性はMMP-2と9の特異的阻害剤で抑制された.βDGの細胞外ドメインはMMP-2と9により分解された. Zymography,RT-PCRによりRT4細胞によるMMP-2と9の産生が確認された.βDGの細胞外ドメインが分解される過程には細胞から分泌されたMMP-2と9が関与すると考えられた. (2)α dystroglycanopathyの病態を明らかにすることを目的として,同疾患のモデル動物であるフクチン欠損キメラマウスの末梢神経,神経筋接合部の解析を行った.同マウス末梢神経におけるαDGのlaminin結合能を解析し髄鞘形成不全の有無を形態学的に検討した.免疫蛍光抗体法により神経筋接合部の観察を行った.αDGのlaminin結合能は著減しており神経根に有髄線維の著名な脱落を示す神経束が認められた.神経筋接合部は断片化した形態を示した.同様の末梢神経障害がヒトにおけるα dystroglycanopathyおいても存在しているものと推測され今後これらの疾患における末梢神経の評価が必要であると考えられた.
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Research Products
(5 results)