2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死抑制強化蛋白質の細胞内導入による脳梗塞治療法の開発
Project/Area Number |
16390257
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太田 成男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (00125832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 研一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (50297892)
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (70167914)
上村 尚美 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (60283800)
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Keywords | アポトーシス / 脳梗塞 / 蛋白質導入治療 / Bcl-2ファミリー / 活性酸素 / 虚血・再灌流 |
Research Abstract |
細胞死抑制活性強化蛋白質FNKを細胞内に導入し、脳梗塞の治療に応用する研究であり、FNKはアポトーシス抑制因子Bcl-xLのアミノ酸3個を変換してアポトーシス抑制活性を強化した蛋白質である。このFNKはアポトーシスだけでなく、ネクローシス(壊死)も抑制できることを明らかにした。この研究によって、脳梗塞でのネクローシスも抑制できることがわかったので、脳梗塞への応用が理にかなっていることが裏付けられた。 FNK蛋白質を細胞内に導入させる効率を改善するために、蛋白質導入ペプチド(PTD)を連結させた蛋白質PTD-FNKの精製法を改良した。従来は大腸菌で生産させたので、エンドトキシンの除去が課題であったが、Baculovirus遺伝子にPTD-FNK遺伝子を導入し、カイコでPTD-FNKを生産させた。この結果、エンドトキシンを含まないPTD-FNKが大量に生産できることがわかった。 PTD-FNKの神経細胞保護効果をみるために、凍結・解凍による神経細胞死を抑制できるかどうかを調べた。PTD-FNKは凍結・解凍による細胞死を抑制できることがわかった。さらに、PTDの作用を調べると、正常細胞と癌細胞では、細胞内への取り込まれ方に差があることがわかった。従来、PTDには細胞特異性がないとされていたので、重要な知見である。 虚血・再灌流モデルとして、脳梗塞だけでなく、肝臓の虚血・再灌流にも効果的であることが明らかになった。さらに、活性酸素消去剤と共存させると、相加的な効果を示したので、活性酸素消去剤と共用するとさらに効果的であることを示唆された。
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