2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病遺伝子の機能解析:遺伝子間ならびに遺伝子・環境間相互作用の解明
Project/Area Number |
16390264
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 博司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20221062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倭 英司 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20273667)
藤澤 智巳 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10324766)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / 多因子疾患 / モデル動物 / コンジェニック系統 / 遺伝子間相互作用 / 遺伝子環境間相互作用 |
Research Abstract |
多因子疾患である糖尿病において、遺伝子間相互作用ならびに遺伝子と環境因子の相互作用を解明することにより、複雑な糖尿病体質の全貌を分子レベルで明らかにし、テーラーメードの予防法・治療法を構築することを目的として研究を進めた。2型糖尿病モデル動物であるNSYマウスを用いた全ゲノム解析によってマップした3つの主要遺伝子(Nidd1,Nidd2,Nidd3)を各単独でコントロール系統に導入した系統(コンジェニック系統)を作出し、表現型を詳細に解析することにより各遺伝子の機能を解析するとともに、遺伝子間相互作用・遺伝子環境間相互作用を解析するための実験系を構築し、解析を進めた。また、遺伝子の同定を目的として、各染色体の一部を有するコンジェニック系統を作出し、機能解析を進めた。 正常マウス(C3H/He)にNSYマウスのNidd1,Nidd2,Nidd3を有する染色体を各単独で導入したコンソミック系統を解析した結果、Nidd1は高血糖・インスリン抵抗性・インスリン分泌低下、Nidd2は高血糖・インスリン抵抗性を示すのに対して、Nidd3は単独では表現型変化を認めないことが明らかとなった。いずれの遺伝子も単独では肥満をきたさないことも明らかとなった。、Nidd1・Nidd2ダブルコンソミック系統を作出し、表現型を解析した結果、単独では認めなかった肥満が出現し、遺伝子間相互作用の存在が示された。親系統および各コンソミック系統に環境負荷(蔗糖飲水負荷)をかけた際の表現型変化を検討した結果、Nidd1,Nidd2では表現型の顕著な増悪を認めるのに対して、Nidd3では表現型に変化を認めないことが示された。Nidd1,Nidd2それぞれに関して異なる染色体部分を有するコンジェニック系統を作出し、機能解析を進めた結果、いずれの遺伝子も複数のコンポーネントから構成されていることが示された。
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