2004 Fiscal Year Annual Research Report
CCR4及びCXCR3によるT細胞系腫瘍の分子生物学的解明と分子標的研究
Project/Area Number |
16390280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50295614)
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336675)
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Keywords | ケモカインレセプター / CCR4 / CXCR3 / 抗体療法 / FoxP3 / 低フコース化抗体 |
Research Abstract |
ケモカインレセプターであるCCR4は成人T細胞性白血病(ATL)の約90%の症例で発現し、その予後不良因子であることは既に我々が報告してきたが、今回、さらにATL以外のT細胞性腫瘍のうち、peripheral T-cell lymphoma, unspecified (PTCL-U)においても独立した予後不良因子であることを新たに明らかにした。また、ATL及びPTCL-Uにおいてはimmunoregulatory T細胞(Treg細胞)の中心的役割を担うFoxP3を高発現していることを突き止め、これらT細胞腫瘍が、Treg細胞から由来する可能性を示唆し、臨床経過中に来す極度な免疫不全症状が腫瘍細胞の分子起源から解明しうる知見を見出した。抗CCR4抗体による抗体療法の可能性の検討においては、ATL細胞株あるいは患者由来生細胞に対して、同種だけでなく自己リンパ球によるエフェクター細胞でも、強力なADCC活性による抗腫瘍効果を確認した。さらに抗CCR4抗体の人工的改変技術により低フコース化をすることで、未改変抗体に比べより有効な抗腫瘍効果を誘導できる事を明らかにした。現在、マウスを用いてIn vivoでの抗腫瘍効果の検証を実施中である。CXCR3については272例のT細胞性腫瘍の免疫染色を行い、PTCL-Uとangioimmunoblastic lymphoma-T cell (AIL-T)に高頻度に発現する一方、予後は逆に良好な経過を示すことを明らかにし、CCR4を含めてケモカインから見たT細胞リンパ腫の分子分類の確立を押し進めた。
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