2004 Fiscal Year Annual Research Report
May-Hegglin anomaly及び類縁疾患の分子基盤の解明
Project/Area Number |
16390283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Clinical research Center, Nagoya National Hospital. |
Principal Investigator |
齋藤 英彦 名古屋医療センター, 院長 (20153819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱口 元洋 名古屋医療センター, 臨床研究センター・止血血栓研究部, 部長 (30393177)
山崎 鶴夫 名古屋医療センター, 臨床研究センター・止血血栓研究部, 室長 (00282202)
國島 伸治 名古屋医療センター, 臨床研究センター・止血血栓研究部, 室長 (60373495)
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 教授 (40161913)
松下 正 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30314008)
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Keywords | May-Hegglin anomaly / MYH9異常症 / NMMHCA / 血小板機能異常症 / 血小板減少症 |
Research Abstract |
我々は、May-Hegglin anomaly(MHA)に代表される白血球封入体を伴う巨大血小板性はA型細胞性ミオシン重鎖蛋白(NMMHCA)をコードするMYH9遺伝子異常により引き起こされることを明らかにし、従来MHAの類縁疾患と考えられていたAlport症状を合併する疾患群においてもMYH9変異を同定し、MYH9異常症という新たな疾患概念を提唱した。MYH9は血液細胞全般、蝸牛、水晶体などに限局して発現し、本疾患の病態との関連を示唆するが、生理機能は不明である。本研究においてはMYH9欠失マウスの作製解析を通して、NMMHCA分子がもつ生体機能を解明し、一見関係のない複数臓器を冒すMYH9異常症において表現型相違の原因を解明することを目的とした。MYH9欠失マウス作製に用いるターゲティングベクターは、遺伝子トラップ法により作製した。すなわち、ランダムに遺伝子がノックアウトされているES細胞ライブラリーにてMYH9のスクリーニングを行い、MYH9がトラップされているクローンを選択した。エレクトロポレーションによりES細胞に導入した後、常法に従い相同組換え体を単離・同定、胚盤胞に注入した。ヘテロマウスを交配すると、MYH9欠失マウスは一匹も新生児として生まれて来ず、胎生致死であることが分かり、胎齢7.5日で全ての胎児が死亡した。MYH9欠失ヘテロマウスの血液細胞を検討したところ、末梢血液細胞数(赤血球、白血球、血小板)は正常であり、ヒトMYH9異常症で見られる白血球封入体および巨大血小板は認めず、NMMHCAの細胞内局在も正常であった。血小板に発現するNMMHC糧は野生型マウスのほぼ半量であった。腎臓の病理所見は光顕および電顕レベルで共に正常であり、Alport症候群に特徴的な巣状分節性糸球体硬化症は認めなかった。聴性脳幹反応による聴覚検査においては、解析した6匹のヘテロマウス中、4匹では正常な誘発電位を記録したが、2匹では刺激した2、4、8、16kHzの全ての周波数において聴覚障害を認めた。
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Research Products
(3 results)