2004 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクスによる小児アレルギー疾患の病態へのアプローチ
Project/Area Number |
16390295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森川 昭廣 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 浩一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50272232)
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Keywords | メチル化 / IL-12 / CD14 / bisulphate / アレルギー疾患 / 臍帯血 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
主要免疫担当細胞であるヘルパーT(Th)細胞はTh1細胞とTh2細胞に分けられ、アレルギー性疾患では、Th1/Th2バランスがTh2へと偏向していると考えられている。アレルギー疾患でのTh細胞分化機構破綻の原因解明へのアプローチとして、既に関連サイトカイン群の遺伝子変異や多型に関する数多くの研究がなされている。一方、遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化修飾が遺伝子発現の抑制に関与しており、その重要性が基礎的な検討により報告されている。アレルギー疾患においても、サイトカイン遺伝子のDNAメチル化修飾の異常がその病態に関与している可能性が想定される。特にTh1細胞ではIL-4遺伝子が、Th2細胞ではIFN-γ遺伝子がメチル化されることで、細胞特異性が確立される。しかし、DNAメチル化とアレルギー疾患との関連からのアプローチはなされていない。 本研究は、DNAメチル化による遺伝子発現制御に着目し、そのアレルギー性疾患における関与を解明することを目的としている。中でもアレルギー疾患におけるTh1/Th2分化の病態に迫るために、Th細胞分化を決定する樹状細胞およびナイーブTh細胞を単離し、それぞれIL-12、IFN-γ、IL-4遺伝子座のDNAメチル化の程度をbisulphite法にて測定し、健常者および臍胎血との間に差があるかどうか検討した。 平成16年度は設備備品が順次整い。予備的研究を進めた。即ち、アレルギー患者および健常人(成人)の末梢血より単核球を分離しCD14陽性細胞およびCD4陽性CD45RO陰性T細胞を精製し、ゲノムDNAを採取した。成人末梢血から精製されるCD14陽性細胞の収量が少なく、現在は樹状細胞の前駆細胞である単球でメチル化の検討を進めている。bisulphite法により、IL-4遺伝子、IL-12p35遺伝子およびIFN-γ遺伝子の転写調節領域のDNA上メチル化の頻度を測定した。
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