2005 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児白血病におけるアポトーシス耐性機序の解明と克服を目指した治療法の確立
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16390297
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中澤 眞平 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90090034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 完爾 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (60138055)
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
合井 久美子 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (70324192)
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Keywords | 白血病 / アポトーシス / 細胞周期 / 分子標的療法 |
Research Abstract |
(1)骨髄球系抗原のCD33は、急性骨髄性白血病(AML)のみならず急性リンパ性白血病(ALL)でも発現する。17;19転座型ALLでは高頻度でCD33の発現を認め、17;19転座に由来するE2A-HLF融合転写因子をCD33陰性ALL細胞株Rehに遺伝子導入したところ、CD33の発現が誘導された。CD33誘導には、E2A-HLFの転写活性化ドメインとDNA結合ドメインがともに必須であり、転座由来の融合遺伝子がCD33の発現を誘導することを初めて明らかにした。近年、化学療法耐性のAMLに対し、ヒト化抗CD33抗体に抗腫瘍剤を結合させたMylotargの効果が確認されている。17;19転座型ALLは極めて予後不良であり、Mylotargの効果を解析中である。 (2)Philadelphia染色体(Ph1)陽性白血病では、BCR-ABLが持続的に細胞周期を促進している。造血因子依存性株にBCR-ABLを導入したモデル実験系では、cyclin dependent kinase(CDK)inhibitorであるp27の抑制が細胞周期制御に中心的な役割を果たしている。しかし、Ph1陽性ALL由来細胞株でのわれわれの解析では、BCR-ABLの特異的inhibitorであるImatinibによって、p27は変化せずにCDK4の発現が著しく低下し、Rb蛋白のCDK4に特異的なリン酸化が抑制された。この傾向は、p16遺伝子が欠失している場合に顕著であった。Imatinib処理ではCDK4のmRNA発現レベルはほぼ不変で、protease活性阻害剤の添加でCDK4蛋白発現の低下が強力に抑制されたことから、BCR-ABLがCDK4の分解を抑制していることが示唆された。Ph1陽性ALLでは高率にp16遺伝子が欠失しており、CDK4が分子標的療法の標的になりうることが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] TEF, an anti-apoptotic bZIP transcription factor related to the oncogenic E2A-HLF chimera, inhibits cell growth by downregulating expression of the common β chain of cytokine receptors.2005
Author(s)
T.Inukai, T.Inaba, J.Dang, R.A.T.Look, Y.Arinobu, H.Iwasaki, K.Akashi, K.Kagami, K.Goi, K.Sugita, S.Nakazawa et al.
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Journal Title
Blood 105・11
Pages: 4437-4444