2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨成長障害の軟骨細胞内シグナル伝達異常の解明とその臨床的応用
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16390303
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 弘之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80231413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 伸介 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10325110)
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Keywords | 軟骨無形成症 / 線維芽細胞成長因子受容体3 / リガンド依存性 / PLCγ / PTH / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
軟骨無形成症およびその類縁疾患の病態にかかわると考えられる細胞内情報伝達物質Stat1の役割について院Vitroで検討した。 (1)FGFR3活性のリガンド依存性の検討:リガンドとしてFGF1を用いたとき、リガンドフリーFGFR3のリン酸化は、野生型FGFR3導入細胞(WT細胞)と比べてHCH細胞、ACH細胞、TDI、TDII細胞、SADDAN細胞では増加が見られたが、TDI、ACH、HCHはFGF1存在下ではWTと同様またはそれ以上のリン酸化の増加が認められたが、TDII、SADDANではリン酸化はFGF1存在下でも大きな影響は受けなかった。TDII、SADDANのリガンド非依存性の原因を検討するためにGFP融合蛋白の発現によって細胞内局在を検討したところ、リガンド依存性を示す変異体やWTでは細胞膜への局在が示されたが、リガンド非依存性の変異体では細胞膜への局在を示すことはできず、これらの変異体は細胞内小器官内よりシグナルを発信していることが考えられた。 (2)SADDAN変異TDII変異FGFR3導入細胞におけるStat1の活性化メカニズム:PLCγは直接Stat1と結合することから、Stat1活性化にPLCγが関与していることが考えられたため、変異FGFR3とPLCγの結合について検討した。一方、ドミナントネガティブPLCγを作成し過剰発現させたところ、これらの変異FGFR3によるStat1の活性化が抑制された。さらに同様の変化はPLCγのsiRNAを用いたノックダウンでも再現することができ、リガンド非依存型変異FGFR3→PLCγ→Stat1のパスウェイが考えられた。 一方、新規治療薬としてのPTHの有効性について、COLII-ACH transgenic mouseを軟骨無形成症のモデルとして用い検討を加えた。4週間という長期投与によって、モデルマウスの骨長は明らかに伸長し、マウスの体重も野生型に近ずくことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)