2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア遺伝子異常に由来する病態の分子病理学的・生化学的研究
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16390309
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
後藤 雄一 国立精神・神経センター, 疾病研究第二部, 部長 (20225668)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / 血管機能障害 / アンチコドン修飾 / ミトコンドリア病 / MIDAS / ゲルマニウム / 血管条 / モデル動物 |
Research Abstract |
1.ミトコンドリアDNA点変異例の臨床症例の報告 3243変異を有するMELAS症例で特異的な血管機能障害を有している症例を見いだし報告した。また、視神経萎縮にジストニアを合併している症例で14459変異を見いだし報告した。 2.3243変異を含むtRNA-Leu(UUR)領域の点変異とアンチコドン修飾異常の有無の検討 ミトコンドリアDNAのtRNA-Leu(UUR)領域にはMELASに関連する病的点変異と関係しない病的点変異が存在している。3243変異や3271変異などのMELAS関連点変異のある場合はアンチコドン修飾異常が存在し、MELASではない場合はその修飾異常がないことを見いだし報告した。 3.ミトコンドリア容量を調節する因子の発見 ミトコンドリアDNAを欠く細胞で発現上昇している遺伝子の1つであるMIDAS/GPP34の機能解析を行い、この蛋白の発現はミトコンドリア内の膜蛋白量の調節に関わることを明らかにした。病的筋線維にはこの蛋白が過剰発現しており、病態への関与が強く示唆された。 4.ゲルマニウム投与によるミトコンドリア病モルモットの作製 0.5%のゲルマニウムを含む飼料を2ヶ月与えることでモルモットに難聴が生じ、病理学的検索で、血管条の変化、コルチ器の支持細胞のミトコンドリアに封入体を認め、ミトコンドリア異常がその本態であることが判明した。また、骨格筋、腎臓にも同様な変化を認めた。このモルモットはミトコンドリア病研究の貴重なモデル動物になる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Vascular involvement on a patient with mitochondrial mypathy, encephalopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes.2005
Author(s)
Takahashi N, Shimada T, Murakami Y, Katoh H, Oyake N, Ishibashi Y, Nishino I, Nonaka I, Goto Y
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Journal Title
The American Journal of Medical Sciences 329巻5号
Pages: 265-266
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Journal Article] MIDAS/GPP34, a nuclear gene product, regulates total mitochondrial mass in response to mitochondrial dysfunction.2005
Author(s)
Nakashima-Kamimura N, Asoh T, Ishibashi Y, Mukai Y, Shidara Y, Oda H, Munakata K, Goto Y, Ohta S
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Journal Title
Journal of Cell Science 118巻22号
Pages: 5357-5367