2005 Fiscal Year Annual Research Report
低侵襲性生体皮膚遺伝子導入法の開発と栄養障害型表皮水疱症遺伝子治療への応用
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16390317
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉井 克人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20236730)
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Keywords | デスモグレイン1 / 黄色ブドウ球菌毒素 / オリゴDNA / 皮膚角層バリアー |
Research Abstract |
本年度は、昨年度開発を進めた低侵襲性皮膚バリアー除去法を利用して、実際に皮膚の深層(真皮内)に高分子物質導入が可能か否かについて、動物実験により検討した。 昨年度までの研究により、黄色ブドウ球菌由来毒素のひとつであるexfoliative toxin A(EFTA)含有ローションあるいは軟膏塗布により、マウスおよびラット表皮の顆粒層、角層に発現するデスモゾームカドヘリンdesmoglein 1(Dsg1)を特異的に破壊し、表皮上層を低浸襲性に剥離できることが明らかとなった。そこで本年度は、このETFA含有ローション(100μg/ml)を利用して実際に生体皮膚に高分子DNAを投与可能かどうかについて検討した。具体的には、EFTA含有ローションにFITC蛍光ラベルした二本鎖オリゴDNAを最終濃度100μg/mlとなるように溶解し、これをマウスおよびヘアレスラット背部皮膚に塗布した後、経時的に皮膚を採取してFITC標識オリゴDNAの導入を組織学的に検討した。その結果、塗布24時間後に真皮上層から深層にかけてFITCによる著明な緑色蛍光が確認された。一方ETFA非含有ローションでは真皮におけるFITC蛍光は検出し得ず、角層外にのみ滞留していることが示された。 今回使用したオリゴDNAは20塩基対、分子量約12,000で、通常表皮角層のバリアーを通過することが可能な分子量(約1,000)を大幅に超過している。今回の研究により、ETFAによって表皮上層の角化細胞間デスモゾームを破壊することにより、通常不可能な高分子物質の外用による低浸襲製導入が可能であることが初めて明らかとなった。本法を利用することにより、種々の皮膚疾患に対するオリゴDNAを用いた核酸医薬治療が可能になると予想される。今後より高分子のプラスミドDNA、あるいは蛋白分子の皮膚への導入の可能性について検討を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)