2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390326
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐野 輝 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30178800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90332832)
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Keywords | 有棘赤血球舞踏病 / 遺伝子改変モデルマウス / 神経変性 / 個体差 / 多因子 / modifier遺伝子 |
Research Abstract |
従来、有棘赤血球舞踏病(chorea acanthocytosis : ChAc)の臨床遺伝型に関しては、「メンデル遺伝にのっとる単一遺伝子疾患で常染色体劣性遺伝形式」とされてきたものの、同一家系内でさえも発症年齢や症状は多彩で、優性を示す家系例さえ報告されている。このような現象は、メンデル遺伝学では説明がつきにくいものであり、まさに上記の「多因子性の複雑な疾患」の中の疾患感受性遺伝子の効果が大きいものと考えられる。ChAcには精神症状の強い例も多く、私達も統合失調症の診断を受けた症例を報告した(in Neuroacanthocytosis Syndromes, pp.39-44,2004)。また、最近我々が経験した家系症例では、VPS13A遺伝子の病因変異をヘテロ接合性に持つ家系構成員にChAcの部分症状を示す例を多数認めた。このように、病因遺伝子VPS14Aを中心とした総合的解析は、多因子性、特に多遺伝子性の解明には比較的単純化された良いモデルとなると考えられる。ヒトChAc症例数は少ないため臨床研究は限界があり、私達は今回世界に先駆けて遺伝子改変モデルマウスの作成に成功した(J.Neurochem.92,759-766,2005)。ChAcモデルマウスはストレイン129系とC57Bl/6系の雑種で作成されたが、変異のホモ接合体においてヒト疾患における病理と一致した線条体を中心とした神経変性と有棘赤血球症を発症した。しかし、変性の程度や運動や行動の評価および神経化学的分析結果は個体差が大きく、環境因の差の少なさから背景遺伝子の差による影響がこのような結果を生み出したと考えている。すなわち、これら事実から、ChAcの発症に対して影響を与えるmodifier遺伝子(群)の存在の可能性が示唆された。
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[Journal Article] A gene-targeted mouse model for chorea-acanthocytosis2005
Author(s)
Y.Tomemori, M.Ichiba, A.Kusumoto, E.Mizuno, D.Sato, S.Muroya, M.Nakamura, H.Kawaguchi, H.Yoshida, S.Ueno, K.Nakao, K.Nakamura, A.Aiba, M.Katsuki, A.Sano
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Journal Title
J. Neurochem 92・4
Pages: 759-766
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[Journal Article] Association of AKT1 Haplotypes with the Risk of Schizophrenia in Iranian Population
Author(s)
S.N.Bajestan, A.H.Sabouri, M.Nakamura, H.Takashima, M.R.Keikhaee, F.Behdani, Mohammad, R.F., M.R.Sargolzaee, M.N.Bajestan, Z.Sabouri, Es.Khayami, S.Haghighi, S.B.Hashemi, N.Eiraku, H.Tufani, H.Najmabadi, K.Arimura, A.Sano, M.Osame
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Journal Title
Am J. Med Genet (in press)