2005 Fiscal Year Annual Research Report
動脈石灰化におけるmatrix metalloproteinaseの役割
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16390351
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
笹嶋 唯博 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20109515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 弘資 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20281884)
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Keywords | AGE / MMP / 動脈硬化 / 動脈石灰化 |
Research Abstract |
血管動脈硬化の終末像として石灰化の発生機序を明らかにし、その予防や治療を確立するため、平成17年度はヒトCABGの際の摘出内胸動脈3グラフト、糖尿病例、糖尿病/維持透析例の下肢動脈バイパス術後グラフト狭窄にて摘出された自家大伏在静脈グラフト15本(移植期間3-33か月)摘出標本について通常染色とMMP、AGE免疫染色を中心とする免疫染色を施行した。また動脈石灰化初発の局在と初期進展像をつきとめるため、石灰化の有無を電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)にて走査電顕観察下にカルシウム、リンの検出を行った。 AGE免疫染色では内胸動脈でAGE染色がみられないが、自家静脈グラフトでは高度のAGE陽性染色所見が観察された。MMP染色は2年以降の静脈グラフトで漸く陽性所見を得たが、平成16年同様、明らかな傾向を認めるには至っていない。EPMAによる自家静脈グラフトの石灰化は維持透析例を中心に詳細に追跡した。維持透析例では早期にグラフト石灰化をみる例があることから初期病変は数ヶ月ではじまるものと予想して早期標本の検索をしたが、カルシウム、リン共に沈着の所見が得られなかった。本解析には多大な労力と経費を要するため対象を限定して検討せざるを得ないが、今後はされに長期標本に対象を移して検索を進める。 以上より代用血管では内胸動脈が最もAGE化が少なく、変性が少ないことが確認されたが、MMPの関与を解明するに至っていない。石灰化の初発は中膜弾性板周囲からはじまるものと予想され、維持透析例の内胸動脈について、標本の採取に制限があるが、EPMAでの解析を続ける予定である。
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