2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性リン脂質とその受容体を標的とした新しいがん治療の基盤形成
Project/Area Number |
16390355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 丈二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名川 弘一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80228064)
甲斐崎 祥一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70291325)
釣田 義一郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345206)
須並 英二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70345205)
石神 浩徳 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80372382)
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Keywords | LPA / SIP / 大腸癌 / VEGF / 浸潤 / 乳癌 |
Research Abstract |
(1)Northern BlotによるmRNAレベルでの検討の結果、大腸癌細胞9種および胃癌細胞9種はいずれも、少なくとも1種類のLPA受容体を発現していた。とくに、大部分の大腸癌細胞はLPA2受容体を発現していた。一方、胃癌細胞は、さまざまなレベルで各受容体を発現しており、一定の傾向は特に見られなかった。(2)LPA細胞により若干の程度の差はあれ、増殖能を促進させ(20μM LPAにおいて、115〜689%)、血管新生因子の分泌能を促進させた(20μM LPAにおいて、VEGFは107〜175%、IL-8は111〜1894%)。(4)実際の患者の大腸癌組織26例において、大腸正常粘膜ではLPA1・LPA2受容体がともに発現しているのに対し、大腸癌組織では、正常粘膜に比べ、LPA1発現は低下し、逆にLPA2発現が上昇していた(正常粘膜LPA1:1143±196,LPA2:1110±245;癌組織LPA1:300±43,LPA2:2400±294。各LPA受容体copy数/β-actin copy数 x 108で示した。)(いずれもP<0.05)。正常粘膜および癌組織を同一患者から採取した16例で、LPA2/LPA1の比をとると、正常粘膜1.0±0.2に対し、癌組織では18.0±6.3(P<0.05)であり、癌組織ではLPA2/LPA1の値は著明に上昇していた。LPA3受容体に関しては、正常粘膜・癌いずれもほとんど発現しておらず、大腸癌の発癌過程には関与していないと考えられた(正常粘膜:86±18,癌組織:138±46;P=0.39)。 (4)乳癌組織内では、正常部分に比してLPA2の発現がmRNAlevelで有意に上昇していたがLPA1,LPA3には変化はなかった。転移、進行度との相関は認めなかった。
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Research Products
(2 results)