2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390359
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮本 啓一 三重大学, 大学院工学研究科, 助教授 (70252343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 仁 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80173243)
下野 高嗣 三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80206242)
堀内 孝 三重大学, 大学院工学研究科, 教授 (10201758)
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Keywords | エラスチン / 細胞培養 / 人工血管 / 弾性動脈 / 動的培養 / 細胞外基質 / 組織工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しい移植用の小口径弾性動脈血管を提供するためのエラスチンマトリックスを用いた人工血管を開発することにある。1年目はエラスチンによる動的培養用シートを試作し検討した。2年目は更に血管系の細胞培養評価から培養用シートの機能特性を調査した。最終年度は、血管系細胞を用いた分化誘導や増殖抑制などの検討を繰り返し、また材料の種類による影響を確認し、本課題である小口径人工血管を作成するためにエラスチンを用いる方法は有用性を総合的に評価した。 最終年度の研究概要 (1)1年目および2年目で得られた知見・改良点を基に、血管内皮細胞と平滑筋細胞および線維芽細胞をエラスチンゲル上で培養するための動的培養基材としてのエラスチンシートを試作し、動的条件を変えて培養評価を行った。検討課題であった材料安定性の問題は、徹底した材料物性評価により解決できた。 (2)平滑筋動的培養による機能変化方法を確立し、シート状に成形したマトリックスに対する動的な血管系細胞接着試験の詳細な検討から、平滑筋細胞の分化誘導性および増殖抑制に関する知見が得られた。 (3)血管系細胞の基質構造として綿状エラスチンの加工にも成功した 以上より、小口径人工血管で問題となる内膜肥厚の原因として考えられる血管平滑筋細胞の増殖制御および分化誘導制御に、エラスチンを活用することが有用である知見を得ることに成功し、本課題を終了することができた。 また以上の成果の一部は第44回日本人工臓器学会大会(平成18年11月;横浜)および第22回ライフサポート学会大会(平成18年9月;千葉)にて発表を行った。
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