2004 Fiscal Year Annual Research Report
血液型不適合及び異種移植を可能にする合成糖鎖イムノトキシンの開発
Project/Area Number |
16390364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅原 利正 広島大学, 病院, 教授 (70175850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大段 秀樹 広島大学, 病院・助手 (10363061)
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Keywords | 異種移植 / 血液型不適合 / B細胞 / イムノトキシン / 拒絶反応 |
Research Abstract |
異種糖鎖Galα1-3Galβ1-4GlcNAc(Gal)とヒト血液型A抗原(GalNAcα1-3Fucα1-2Gal)を認識するB細胞の特性を解析した結果、特徴的なB細胞亜群であるB-1細胞(主として腹腔や胸腔内に存在し、脾臓に移行して抗体産生細胞となる)に属することが明らかとなった。B-1細胞はさらにそれぞれ特徴的なレパートリーを有するB-1a細胞(IgM^<high>CD11b^+CD5^+)とB-1b細胞(IgM^<high>CD11b^+CD5^-)に細分される。血液型抗原反応性B細胞はB-1a細胞に、Gal反応性B細胞はB-1b細胞に分類されることが解明された。カルシニューリン抑制剤サイクロスポリン(CyA)はB-0細胞からB-1細胞への分化を抑制することが報告されている。マウスを用いた我々の検討では、CyAは用量依存的にB-1a細胞の分化・増殖を抑制するが、B-1b細胞には影響を与えないことが判明した。従って、CyAはA糖鎖反応性B細胞への分化を抑制する。しかし、すでに成熟したA糖鎖反応性B細胞と抗体産生B細胞はCyA抵抗牲であるため、これらの選択的抑制が必要となった。 そこで、血液型A抗原認識成熟B細胞を選択的に標的するため、最適な親和性と特異性が得られる合成糖鎖を決定した。フローサイトメトリーで二単糖と三単糖の血液型A抗原を比較した場合、三単糖のものがより親和性および特異性が高かった。次に、標的成熟B細胞を傷害するトキシンとして異種蛋白bovine serum albumin(BSA)を血液型A三単糖に融合した(イムノトキシン)。マウスにBSA融合A三単糖を100μg/mouseで投与し、その6時間後に20倍希釈したウサギ抗BSA抗体を1ml/mouse投与した。その結果、血液型A抗原に結合し得るレセプターを表出するB細胞および抗A抗体(IgM)を産生するB細胞は選択的に消失した。ABO血液型不適合移植におけるB細胞性拒絶反応の臨床応用可能な予防および治療薬として、BSAと融合した合成A糖鎖の有用性が示唆された。
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Research Products
(3 results)