2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓再生におけるTLRシグナルおよびケモカインの役割解明とその再生促進への応用
Project/Area Number |
16390385
|
Research Institution | HYOGO COLLEGE OF MEDICINE |
Principal Investigator |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
岩崎 剛 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10151721)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
飯干 泰彦 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10340994)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
|
Keywords | Toll-like receptor / 肝再生 / MyD88 / SDF-1 / 骨髄移植 / 肝硬変 |
Research Abstract |
部分切除後の肝再生における自然免疫応答の関与をToll-like receptor(TLR)を介するシグナル伝達に着目して検討した。TLRシグナル伝達におけるアダプター分子であるMyD88の欠失マウスMyD88-/-において70%肝切除を施行すると、前年度の報告のように肝再生の遅延が認められた。具体的には、肝再生初期の遺伝子発現、細胞増殖が有意に抑制された。一方、MyD88の上流シグナルの検討として、腸管由来のグラム陰性および陽性菌からのLPSおよびpeptidoglycanを認識するTLR4,TLR2のdouble KOマウス(Tlr2-/-Tlr4-/-)、およびバクテリアDNA由来のCpGオリゴ核酸を認識するTLR9のKOマウス(Tlr9-/-)において70%肝切除を行ったところ、肝再生において野生型マウスと有意な差を認めなかった(Hepatology,2005)。そこで、本年度はさらにTLR3,TLR5,TLR7のそれぞれの欠失マウスで同様の検討を行ったが、やはり再生遅延は認められず、現在、TLRを介したシグナル以外の情報伝達がMyD88を介して肝再生初期の反応を制御している可能性に注目している。そのひとつとして、メカニカルストレスの肝臓器再生への関与について考えている。 一方、硬変肝からの肝臓器再生における骨髄由来細胞の関与に関する研究をこれまでに行っているが、肝細胞増殖因子(HGF)以外に、ケモカインであるSDF-1の重要性が明らかとなってきた。今後、ヒトSDF-1発現アデノウイルスによる蛋白強制発現などにより、肝臓再生におけるその役割を検討する必要がある。
|
Research Products
(4 results)