2004 Fiscal Year Annual Research Report
TM4SF癌転移抑制遺伝子による癌増殖抑制機構の解明と癌治療への応用
Project/Area Number |
16390400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
三宅 正幸 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 登 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 主任研究員 (00283169)
広田 喜一 財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 主任研究員 (00283606)
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Keywords | TM4SF / 下位遺伝子 / MRP-1 / CD9 / KAI1 / CD82 / VEGF-A |
Research Abstract |
Transmembrane 4 Superfamily(TM4SF)に属するMRP-1/CD9やKAI1/CD82とインテグリンファミリーの複合構成体は、悪性度が進むほど崩壊消失していく。つまり、癌化に伴って、これらの複合構成体はその正常な構造が崩壊していき、癌の進展の過程で一層その傾向が鮮明になってくる。その過程の中で転移能を獲得した細胞が発生して来るものと考えられる。今回我々は、このMRP-1/CD9、KAI1/CD82のトランスフェクションにより増殖抑制がかかる癌細胞株MAC10が存在するのを見つけだした。この株の場合、in vivoの治療実験でも同一の現象がおこり、何らかの増殖機能を持つ下位遺伝子が存在する可能性が考えられた。そこで、まずDNAマイクロアレイを用いて、MRP-1/CD9やKAI1/CD82の欠損している母細胞と、これらをtransfectionした恒常発現株の遺伝子を較べ、これらを比較することにより下位遺伝子の発現及び、それへのシグナル伝達機構を調べた。その結果、MRP-1/CD9、KAI1/CD82の両者が遺伝子段階でVEGF-Aを、発現制御することを発見した。これまで、一部の癌細胞で転移抑制遺伝子のトランスフェクションでありながら、増殖能も抑制されるという矛盾が観察されていた。MRP-1/CD9/KAI1/CD82によるVEGF-Aの発現制御は増殖抑制作用の一部の問題を解明したわけである。更に、良性腫瘍や扁平上皮化生から早期癌、そして徐々に進行してくる癌までそれぞれの初期培養を行い、どのような順序、あるいは機序でこれらの複合体の構成メンバーが、あるものは脱落し、あるものは優位に発現していくのかを調べていっているが、未だ、共通して制御される遺伝子は見つかっていない。
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Research Products
(7 results)