2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫における活性酸素種生成酵素(NOX)の発現意義
Project/Area Number |
16390412
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
庄野 禎久 九州大学, 大学病院, 助手 (00346793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 富男 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (10134561)
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Keywords | グリオーマ / 神経上皮性腫瘍 / Nox4 / NADPH oxidase / RNAi / 活性酸素 / 細胞増殖 / アポトーシス |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、悪性グリオーマの培養細胞や手術標本を用いてNox1-5mRNAの発現をRT-PCRで検討し、Nox4のみが悪性グリオーマに特異的に発現している事を確認した。また神経上皮性腫瘍120例でNox4の発現を免疫組織学的に検討し、ほとんどすべての症例で腫瘍細胞に抗Nox4抗体による特異的な染色が認められることを確認した。悪性度の異なるグリオーマの40症例の手術標本(WHO grade II ; diffuse astrocytoma、grade III ; anaplastic astrocytoma、grade IV ; glioblastoma)からそれぞれTotal RNAを抽出し、real time PCRを用いて定量的にNox4 mRNAの発現を検討したところ、腫瘍の組織学的悪性度が増し、gradeが上昇するのに比例して、Nox4 mRNAの発現が増加している事が確認できた。 今年度は悪性グリオーマの培養細胞において、Nox4発現をRNAiにてノックダウンすることで起こる悪性グリオーマ細胞の変化について解析を進めた。その結果Nox4のノックダウンによって、グリオーマ細胞内で産生される活性酸素が著明に減少し、細胞の形態が、四方に突起を広げた形状に変化することがわかった。同時にこれらの細胞では細胞増殖が著明に抑制され、一部の細胞ではアポトーシスが誘導されることがわかった。さらにシスプラチンやテモゾロマイドなどの化学療法剤によってグリオーマ細胞に誘導される細胞死、アポトーシスが増加し、これらの細胞の化学療法剤に対する感受性が著明に増強される事が確認できた。以上の結果から、Nox4のノックダウンが、化学療法に抵抗性の悪性グリオーマに対する新たな治療アプローチとなる可能性が示された。
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Research Products
(5 results)