2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え骨髄幹細胞の静脈内移植による脳梗塞治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16390414
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
|
Keywords | adult / bone marrow / gene / human / infarction / neuroprotection / stroke / transplantation |
Research Abstract |
ラット脳梗塞モデルに対して、遺伝子組換え骨髄幹細胞を静脈内に移植することにより、治療機序の解明と同時に、治療効果の向上を目的とした基礎的研究を遂行した。 1.ラット中大脳動脈閉塞モデルへの骨髄幹細胞移植における治療効果の機序の解明: 全身麻酔下に中大脳動脈を遮断することで、脳梗塞モデルとした。骨髄幹細胞を静脈内に移植した場合の治療効果の機序として、(1)局所のサイトカイン(BDNF,GDNF,PLGF)濃度が増大、(2)血管の新生が誘導されることで脳血流が回復、(3)アポトーシスの抑制効果、(4)抗浮腫効果、等が関与することが解明された。 2.ラット中大脳動脈閉塞モデルへの遺伝子組換え骨髄幹細胞の移植実験: サイトカイン遺伝子(BDNF,GDNF,PLGFなど)を骨髄幹細胞に導入した結果、下記の結果が得られた。 (1)細胞治療により、局所のBDNF,GDNF,PLGF濃度が増大し、治療群で、梗塞巣の著明な縮小が認められた。 (2)また、遺伝子組み換え幹細胞の移植により、局所のBDNF,GDNF,PLGF濃度を更に増大させると、治療効果が更に高まることが判明した。 (3)細胞治療により、血管の新生が誘導された。特に、PLGF遺伝子組み換え幹細胞の移植により、著名な血管の新生が組織学的に認められた。 (4)MRI perfusion imageでの局所脳血流の経時的な測定の結果でも、上記(3)と同様な結果、すなわち、細胞治療により脳血流の著名な回復を認めた。また、特に、PLGF遺伝子組み換え幹細胞の移植により、更に著名な脳血流の改善が認められた。 以上のように、補助金は補助条件に従って、非常に有効に使用されている。
|
Research Products
(4 results)