2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え骨髄幹細胞の静脈内移植による脳梗塞治療の基礎的研究
Project/Area Number |
16390414
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
濱田 洋文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00189614)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
我々は、現在のところ、再生医療の中で実用化が最も期待されている骨髄細胞をドナー細胞とした移植研究に注目し、その中でも特に神経再生作用の強い間葉系幹細胞を抽出・培養・増殖し、静脈内に投与するという方法で、脳梗塞に対する新たな治療戦略の策定をめざしている。 本研究では、主に、ラット脳梗塞モデルを用いて、間葉系幹細胞を静脈内に移植することにより、脳梗塞の治療効果の解明と治療効果の向上方法を目的とした基礎的研究を遂行した。 本年度は、特に、ラットの末梢血中に存在する間葉系幹細胞を抽出・培養し、ラット中大脳動脈閉塞モデルへの移植実験を施行し、下記の結果を得た。 (1)移植細胞のホスト虚血脳内での生着・分化を組織学的に検討した結果、ドナー細胞はホスト組織内で良好な生着・増殖・分裂・分化・遊走・組織修復を示すことが判明した。 (2)組織学的に、治療群で、梗塞巣の著明な縮小が認められた。 (3)細胞治療により、血管の新生が誘導された。 (4)細胞治療により、脳血流が回復することが確認された。 (5)トレッドミル運動負荷試験により運動機能の解析した結果、移植により顕著に運動機能が回復することが判明した。 (6)動物実験用高磁場NMR装置(7テスラー)を用い、同一個体の脳梗塞巣を経時的に画像診断学的に解析した結果、移植による治療効果は画像診断上も著名であることが判明した。 以上のように、本年度は、末梢血中に存在する間葉系幹細胞が、骨髄中に存在する間葉系幹細胞と同等の治療効果が期待できることを突き止め、実用化においても更に有用な知見を得ることができた。以上のように、補助金は補助条件に従って、非常に有効に使用されている。
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Research Products
(7 results)