2005 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ随伴ウイルスを応用した脳神経疾患に対する遺伝子治療
Project/Area Number |
16390418
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
岡田 尚巳 自治医科大学, 医学部, 講師 (00326828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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Keywords | 遺伝子治療 / ウイルスベクター / 脳神経疾患 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
非病原性アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターは頭蓋内での炎症反応も起こしにくく、神経組織や筋肉などにおいて単回の投与で長期間安定した発現が可能であることから、脳神経疾患モデルにおいてAAVベクターを用いた治療蛋白質発現の治療効果を検討してきた。今年度は、応用をめざした次の研究段階として各種血清型AAVの感染様式、分子標的薬剤を用いた遺伝子発現増強効果、発現制御システム、およびベクターの筋注による蛋白質補充療法の効果を検討した。 1 各種血清型AAVを利用した治療ベクター 各種血清型AAV由来のベクターを用いて、内耳における遺伝子発現様式を検討した。さらに、神経栄養因子であるGDNFを発現するベクターを構築した。これらの治療ベクターをラット蝸牛に注入し、アミノグリコシドによる内耳有毛の細胞死抑制効果と難聴予防効果を確認した。 2 ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を用いた遺伝子発現増強 腫瘍細胞の系で確認された遺伝子発現増強効果をさらに解析し、薬剤投与の至適条件を検討した。また、Luciferase発現ベクターを用いて小動物の肝臓、前脛骨筋や皮下腫瘍に遺伝子導入を行い、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の投与による遺伝子治療発現増強効果を経時的に評価した。 3 変異rtTAを用いたtet-on遺伝子発現制御系 変異rtTAを用いたtet-on遺伝子発現制御系をsiRNAの発現制御に応用する。THおよびGDNFの発現を制御するsiRNAの配列を選択し、これらをTet制御型H1プロモーター下に発現するベクターを構築した。Doxycycline投与に伴って制御されるsiRNAの効果を培養細胞の系で確認した。 4 抗炎症性サイトカインの体内発現による動脈硬化の治療 脳卒中易発症高血圧ラット(SHR-SP)にIL-10発現ベクターを筋注し、持続的体内発現による治療効果を検討した。血圧、脳卒中スコア、炎症性サイトカインの発現、マクロファージの浸潤、および腎機能の改善効果を認め、IL-10発現AAVベクターを利用した炎症制御による脳卒中の発症予防効果を証明した。
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Research Products
(13 results)