2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対する硼素中性子捕捉療法の開発(さらなる治療効果の改善を目指して)
Project/Area Number |
16390422
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮武 伸一 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90209916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 宜永 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30224413)
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
切畑 光統 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60128767)
吉田 淑子 富山薬科大学, 医学部, 助教授 (00171421)
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Keywords | BNCT / BPA / BSH / PET / GBM / SIMS / Transferrin |
Research Abstract |
悪性グリオーマの治療法として硼素中性子捕捉療法(BNCT)の研究を進めており、ほぼすべての症例で腫瘍の縮小を経験している。このような治療成績を示す治療法は他に類をみないものであるが、さらにこの治療成績を向上させるため、BSHの静脈内投与に加えて大量のBPA(700mg/kg)を6時間かけて投与し、BNCTを行った後、X線分割照射を20-30Gy追加した。この結果、初発GBMで生存期間中央値は22ヶ月を越えている。 一方で、本治療法の成否はいかにしてB^<10>化合物を腫瘍細胞の核に選択的に取り込ませられるかという点にかかっており、かつそれを科学的に評価する事が重要である。そこでラット実験脳腫瘍をモデルとして、Secondary Ion Mass Spectroscopy(SIMS)によるB^<10>原子の半定量並びにmicrodistributionの検討をおこなったところ、BPAは腫瘍に不均一な分布を示したが、周辺脳に浸潤した腫瘍にもその蓄積を認めた。一方BSHは腫瘍に均一な分布を示したがその蓄積は限られており、浸潤部腫瘍への分布もごく軽度であった。この結果より両者の併用は合理的であると考えられた。 また、硼素化合物のdrug delivery system(DDS)として、BSHをtransferrin-PEG-liposomeに包埋して投与し、中性子による照射実験を行ったところ、in vitroのみならず、nude mouseを用いたin vivoのモデルでもその抗腫瘍効果の増強を確認しえた。そのメカニズムとしてこのDDSが効率よく硼素原子を腫瘍細胞の細胞内にtransferできることも確認できた。
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Research Products
(6 results)