2004 Fiscal Year Annual Research Report
異なる間葉系細胞による腱・靭帯マトリクス再構築機序の解明とその分子標的制御
Project/Area Number |
16390425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 晴一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60301884)
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
小野寺 伸 北海道大学, 病院・助手 (00359481)
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Keywords | 生体軟組織 / 腱 / 靭帯 / マトリクス / リモデリング(再構築) / 線維芽細胞 / 除負荷 / 分子制御 |
Research Abstract |
(1)ラット右膝蓋腱に対して除負荷手術を行い、6週後にその膝蓋腱を摘出し内在性線維芽細胞を分離してそのcDNAライブラリを作成した。除負荷を受けた各細胞において遺伝子発現が亢進しているcDNAをsubtraction hybridization PCR法を用いて解析した。その結果、除負荷という力学的環境の変化は内在性線維芽細胞のMn-SOD,Tyrosinase-related protein,KIAA1199-related protein,KIAA1199,PDGFR-α遺伝子発現を亢進させていることが解った。そこで特に重要な酵素であるMn-SODについて、Western blot、RT-PCR、および免疫染色を用いてin vivoにおけるの発現亢進の有無を調べた結果、この酵素がmRNAおよびタンパクレベルで発現亢進していることを確認した。 (2)家兎右膝蓋腱にin situ凍結解凍処理を行ない、6週後に右膝蓋腱から外来性線維芽細胞(EF)を、左膝蓋腱から内在性線維芽細胞(IF)を単離培養した。第1継代細胞の細胞増殖能についてはMTS法を用いて、Intergrinを始めとする細胞表面の各種のReceptorの発現についてはモノクロナール抗体とFACScan flow cytometerを用いて定量的に解析した。次に単離培養された各種の線維芽細胞をcollagen gelの中に播種し、この中に無細胞腱マトリクスを埋植して培養した。培養された腱マトリクスに対し共焦点レーザー顕微鏡を用いた組織学的評価、および万能試験機を用いた力学的評価を行なった。その結果、(1)増殖能:両細胞ともに細胞数は経時的に有意に増加した。7日目のEFおよびIFの平均細胞数は0日目の8.9倍および21.8倍であり,EFの増殖能はIFのそれより有意に低かった。(2)浸潤能:EFの浸潤能はIFのそれより有意に低かった.(3)腱マトリクスへの浸潤細胞数は、IFでは経時的に有意の増加を示したが(p<0.05)、EFは有意の変化を示さなかった。EF細胞数はそれぞれの時期においてIF細胞数より有意に低値であった(p<0.05)。(4)腱マトリクスのtangent modulusはいずれの細胞浸潤後にも経時的に有意に減少した(p<0.05)。
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