2006 Fiscal Year Annual Research Report
異なる間葉系細胞による腱・靭帯マトリクス再構築機序の解明とその分子標的制御
Project/Area Number |
16390425
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 和則 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (20166507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 晴一 北海道大学病院, 助教授 (60301884)
清水 宏 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (00146672)
小野寺 伸 北海道大学, 大学院医学研究科, 助手 (00359481)
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Keywords | 生体軟組織 / 腱 / 靭帯 / マトリクス / リモデリング(再構築) / 線維芽細胞 / 徐負荷 / 分子制御 |
Research Abstract |
1.家兎36羽を用い、A群では左膝滑膜から採取した細胞を4週間培養して、1.5x10^6個の滑膜由来細胞を含むfibrin sheetを作成し、培養液にTGF-β1(10ng/ml)を投与して48時間後に、in situ凍結処理した右膝ACLに投与した。B群ではTGF-β1の非投与以外はI群と同処置を行なった。C群はfibrin sheetのみを投与した。12週で屠殺した。本研究は上述の処理をした細胞投与が凍結処理ACLへの細胞浸潤を促進し、また力学的特性の劣化を抑制することを明らかにした。 2.成熟羊32頭を用い、半腱様筋腱を移植腱として右ACLを再建後、4群に分けた。A群では何も投与しなかった。B群では、移植腱にfibrinのみを投与した。C群では左膝関節の滑膜から採取した滑膜細胞を2週間培養した滑膜由来細胞(3x10^6)を投与した。D群では、C群の処置後、48時間前にTGF-beta1(10ng/ml)を投与した細胞を投与した。各群とも術後12週で屠殺した。本研究は上述の処理をした細胞投与が再建ACLへの細胞浸潤を促進し、また力学的特性の劣化を抑制することを明らかにした。 3.家兎30羽の左膝より滑膜組織を採取し,線維芽細胞を単離培養した.採取14日後に右膝蓋腱実質中央部に全層欠損を作成し,3群に分けた.A群は前述の培養細胞(1×10^6)を浮遊させたDMEM0.3mlを,B群は移植2日前にrh-TGF-BETA1を投与した同細胞浮遊液0.3mlを,C群DMEM0.3mlのみを欠損部に投与した.6週後に屠殺した.本研究は自家滑膜由来線維芽細胞をscaffoldsの存在しない膝蓋腱欠損部に移植すると再生組織の力学的劣化を促進させることを明らかし,さらに細胞移植前のTGF-BETA1投与は前述の再生組織の力学的劣化を抑止することを示した.
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