2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト滑膜肉腫癌遺伝子SYT-SSXの分子生物学的解析と治療法の開発
Project/Area Number |
16390426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70261287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
三浪 明男 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20133738)
赤城 剛 大阪バイオサイエンス研究所, 副部長 (90184077)
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Keywords | 滑膜肉腫 / SYT-SSX / p21 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本研究は、若年成人に好発する悪性軟部腫瘍である滑膜肉腫の原因を解明し、治療法開発の基盤技術を確立することを目的としており、本年度は本研究の初年度にあたり、以下の結果を得た。 (1)SYT-SSX結合蛋白質の同定:SYTをbaitとして293T細胞に一過性に発現させ、pull down assayを行いTOFF-MASS解析を行ったところBRGを含むSWI/SNF型のクロマチンリモデリング因子群が同定された。また、SSXとヒストンの結合については、ヒストンH2A.bbdと結合することが一過性のタンパク発現系にて見出された。 (2)SYT-SSXによるp21WAF1/CIP1の発現誘導:SYT-SSXによりp53非依存性にp21の発現が誘導される事が判明していたが、本研究によりp21プロモーターの変異体を用いたルシフェラーゼアッセイを行う事により、Sp1/Sp3依存性に発現する事が判明した。現在p21の変異の有無を解析中である。 (3)SYT-SSXトランスジェニックマウスの作成:現在、LTR由来のプロモータおよびテトラサイクリン誘導可能なTREプロモータを有する2系統のマウスの作成を行っており、LTRについてはホモのラインが維持されてきている。TREに関してはヘテロの状態である。今後はまずはLTRの系について腫瘍発生の有無を観察し、遺伝子欠損マウスとの掛け合わせなどを行い関連遺伝子を探索しながら疾患モデルマウスの確立を目指す。 以上の結果をまとめて、日本病理学会および日本癌学会のシンポジウムにて発表を行った。 1)田中伸哉:ワークショップ「染色体転座と疾患」滑膜肉腫の分子病理学的解析。第93回日本病理学会総会2004.6.9-11札幌 2)田中伸哉:シンポジウム「骨軟部腫瘍の最先端研究」ヒト滑膜肉腫癌遺伝子SYT-SSXによる細胞癌化機構の解析。第63回日本癌学会総会2004.9.29-10.1福岡
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Research Products
(7 results)