2004 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷モデルに対する造血幹細胞および骨髄間質細胞移植の比較検討
Project/Area Number |
16390427
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50281712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河 昭彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30312945)
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
岡田 誠治 熊本大学, 大学院・医学研究部, 教授 (50282455)
|
Keywords | 脊髄損傷 / 造血幹細胞 / 骨髄間質細胞 / 細胞移植 |
Research Abstract |
[研究目的] マウス脊髄不全損傷モデルに対する造血幹細胞(HSC)・骨髄間質細胞(BMSC)移植の治療効果を比較検討することを目的とした。 [方法] 1)マウス脊髄損傷モデルを作成。全身麻酔下にFarooque(2001)らの方法に準じて第8胸椎レベル20g5分間の圧迫を加え、脊髄不全損傷モデルとする。 2)Green Fluorescent Protein Transgenicマウス(GFP Tg)大腿骨より骨髄を採取し、FACS Vantage (Becton Dickinson)にてHSCを高度に濃縮。 3)GFP Tgマウス大腿骨より骨髄細胞を採取し、プラスチック培養皿にて付着性の細胞を培養する(BMSC)。 4)損傷後1週時に2)で採取したHSCまたは3)にて培養したBMSCを1)で作成した脊髄損傷モデルの脊髄損傷部に注入する。コントロールとして培養液のみを同量注入する。 5)細胞注入後時間経過を追って行動学的・組織学的評価を行い、HSC移植・BMSC移植・コントロールの3群間にて比較検討する。 [結果・考察] HSC移植・BMSC移植群ともにコントロール群と比較して有意な後肢運動機能の改善が観察された。移植細胞の生着数はHSC移植群・BMSC移植群の間に有意な差は認められなかったが、HSC移植群のほうが移植細胞の頭・尾側への移動距離が大きい傾向を認めた。免疫染色では、HSC移植群においてGFP陽性移植細胞の一部がoligodendrocyteマーカーであるAPCを発現していた。一方、BMSC移植群ではGFP陽性移植細胞中に神経系マーカーを発現するものは認められず、その多くはBMSCマーカーのひとつfibronectin陽性だった。本研究の結果、HSC・BMSCの脊髄損傷に対する治療効果はほぼ同等であるといえた。免疫染色の結果から、HSCはごく一部だが神経系マーカーを発現するものが見られたのに対し、BMSCでは神経系マーカーは発現せずもともとの細胞マーカー陽性であった。このことはHSC・BMSCの損傷脊髄の機能回復メカニズムが異なる可能性を示唆している。
|
Research Products
(6 results)