2004 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞形成の分子機構解明とその骨疾患治療への応用
Project/Area Number |
16390428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70176428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 仁 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90361617)
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Keywords | RANK / CD40 / TRAF6 / 破骨細胞 / NFAT |
Research Abstract |
RANK-TRAF6シグナルにより破骨細胞分化が誘導されるが、CD40-TRAF6シグナルでは誘導されない。その原因を解明するためにヒトCD40の細胞外領域および膜貫通領域にマウスRANKの細胞質領域を融合させたキメラ受容体(h40/mRK)による破骨細胞形成実験系を確立し、以下の結果を得た。1)RANKには、3つのTRAF6結合部位が存在するが、1つのみにしてもNFATc1の発現誘導及びカルシウムオシレーションは起こり破骨細胞を誘導された。2)h40/mRKとCD40はほぼ同程度にNFκBやMAPKを活性化した。3)CD40をh40/mRKの100倍多く細胞表面に発現させると弱いながらCD40シグナルによりNFATc1の発現誘導が起こり破骨細胞が形成された。即ち、RANKはTRAF6シグナルをCD40に比べておよそ100倍増幅する機能を有していることになる。4)CD40が持つTRAF6結合配列をRANKの3つのTRAF6結合配列一つ一つと入れ替えた受容体は、野生型CD40とほぼ同程度にNFκBやMAPKを活性化したが、破骨細胞の形成は誘導できなかった。これはおそらくRANKの細胞質領域のどこかにTRAF6シグナルを増強する因子が作用するか、あるいはRANKの特定部位が直接TRAF6シグナルを増幅すると考えられる。今後更に種々のキメラ受容体を作成することによりシグナル増幅の分子メカニズムを明らかにすることができると考えている。
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Research Products
(6 results)