2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタノイド作動性物質を用いた新しい軟骨再生治療法の開発
Project/Area Number |
16390437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | PGE2 / EP2 / 関節軟骨 / 間葉系幹細胞 / 軟骨修復 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
1.軟骨細胞におけるEP2の作用解析 マウス及びヒト軟骨細胞を用いた解析により、EP2アゴニストにより細胞増殖に関連する遺伝子の発現が誘導され、同時に細胞数も増加することが判明した。またラット大腿骨を用いた器官培養により、軟骨基質内の細胞に対してもEP2が作用し、増殖を促進することが判明した。 2.軟骨損傷動物モデルを用いたIn vivo治療実験 ラット大腿骨膝蓋大腿関節面に軟骨損傷を作成、その後週2回、3週間、計6回EP2アゴニストを関節内投与し、損傷作成8週後に組織学的評価を行った。結果として、EP2アゴニストにより損傷部位における細胞増殖は刺激されたが、完全な軟骨組織の修復には至らなかった。分解等により局所において十分な濃度が維持できなかった可能性があり、現在DDSシステムを検討中である。 3.間葉系幹細胞(MSC)におけるEP2発現 腸骨よりの移植骨採骨の際に採取したヒトMSCの初代培養を12例において施行した。継代初期における各EPの遺伝子発現を比較検討したところ、EP2は共通して陽性であったが、他のEPの発現は症例間で相違が認められた。12例中、長期培養が継続可能となった症例において培養280日の時点で解析したところEP2のみ発現が維持されており、MSCにおけるEP2発現の特異性を示唆する結果が得られた。 4.MSCにおけるEP2作用機構の解析 不死化MSCにEP2アゴニストを投与し、投与前と投与後3時間及び24時間の時点での遺伝子発現の変化をゲノムワイドのオリゴマイクロアレイに解析した。その結果、軟骨関連転写遺伝子などを含む、約20個の標的候補遺伝子を同定することができた。現在個々の遺伝子に関しての解析を施行している。
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