2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390439
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部) |
Principal Investigator |
上田 孝文 独立行政法人国立病院機構(大阪医療センター臨床研究部), 医師 (00324773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (10263261)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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Keywords | 骨・軟部悪性腫瘍 / 肉腫 / 腫瘍特異的免疫療法 / WT1遺伝子 / SSX遺伝子 / DCワクチン療法 |
Research Abstract |
今年度の研究実績として、1)軟部肉腫症例52例におけるWT1過剰発現の有無と再発・生命予後との関連および他の各種予後因子との相関を解析した結果、WT1過剰発現が軟部肉腫における独立した予後因子であり、WT1遺伝子産物が腫瘍特異的免疫療法の分子標的となりうることを明らかにし、論文発表した。(Cancer 106(10):2233-2240,2006)2)骨・軟部悪性腫瘍(肉腫)を含む各種悪性固形腫瘍に対するWT1ペプチドを用いた腫瘍特異的免疫療法の安全性と有効性を評価する目的で、天然型または改変型WT1ペプチド3.0mgをモンタナイドISA51アジュバントとともに毎週1回で3ヵ月間、計12回皮内投与する第I/II相臨床試験を開始した。本臨床試験における骨・軟部悪性腫瘍の予定症例数は30例であるが、平成18年12月末日現在まで14例を適格症例としてエントリーした。SD(Stable Disease)3例、PD(Progressive Disease)11例で、今のところ臨床的に明らかな腫瘍縮小効果を示した有効症例はないが、皮内投与局所の皮膚発赤・腫脹以外重篤な副作用は認めていない。3)マウス骨肉腫肺転移モデルを用いた実験的DC免疫療法:主要抗原提示細胞である樹状細胞(DC : dendritic cells)および我々の確立したマウス骨肉腫高肺転移株(LM8)を用いて、骨肉腫に対するDCワクチンによる腫瘍特異的免疫療法の動物実験を行った。あらかじめ放射線照射あるいは凍結・解凍処理にて不活化した腫瘍組織を培養液中に加えることにより腫瘍抗原で刺激したDCを培養作成後、LM8を背部皮下に移植したC3Hマウスの鼠径部に皮下注射したところ、局所腫瘍および肺転移巣に対する抗腫瘍効果をみとめたことを確認し、論文発表した。(Clin Orthop 453:318-327,2006)今後引き続き、上記2)を実施するとともに、癌精巣抗原の一つであるSSX遺伝子産物を分子標的とした新規分子標的治療法についても研究を進めている。
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Research Products
(7 results)