2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫再発巣および骨転移に対する臓器特異性プロモーターを用いた遺伝子治療臨床研究
Project/Area Number |
16390440
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
秋末 敏宏 Kobe University, 大学院・医学系研究科, 助教 (90379363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 康太郎 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00379372)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 准教授 (70335446)
藤本 卓也 神戸大学, 医学系研究科, 医学研究員 (00397811)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノウイルス / 臨床研究 / 遺伝子発現 / 骨肉腫 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
基礎実験として、我々が樹立したヒト肉腫細胞株(TNMY1)および既存の細胞株(Nara H、 Nara F、 GBS-1)を用い、VEGF受容体に対するinhibitorであるPTK787による、細胞増殖能、浸潤能、血管新生阻害効果を調べた。VEGF細胞増殖能については、PTK787による細胞増殖抑制効果は認められなかった。細胞浸潤能についてはNara Hのみで抑制効果を認めた。血管新生については、PTK787による4細胞株全てで阻害効果を認めた。次に、apoptosisに関与するデコイレセプターであるDcR3のsiRNAを用いた抑制実験では、siRNAによるDcR3のknock down効果は、骨肉腫細胞株の方がMFH細胞株に比べ、蛋白レベルで強く認められた。そこで骨肉腫細胞株を用いてFasL, adryamycinでの刺激を行なった。siRNA+FasL群はcontrol siRNA+FasL群と比べTUNEL positive細胞の有意差は認めなかったが、siRNA+FasL+adriamycin群はcontrol siRNA+FasL+adriamycin群と比べ有意にTUNEL染色陽性細胞が多く、apoptosisを誘導した。さらに、apoptosisに関与するスフィンゴシン-1-リン酸(SIP)のGタンパク共役型レセプターであるEDGレセプターの発現を、骨肉腫を含む悪性骨軟部腫瘍組織24例で、RT-PCR法を用いて検討した。結果は、高悪性肉腫では、EDG1,3,5が高率に発現していたが、低悪性肉腫ではEDG1,3,5が有意に低かった。また、EDG receptorのリガンドであるSIPの律速酵素であるSPHKの発現は、SPHK2が低悪性肉腫に有意に、高発現していた。一方、SPHK1は低悪性と高悪性肉腫間に発現の差は認めなかった。 臨床試験に使用するAd-OC-TKを株式会社ジーンメディスンジャパン保有の細胞培養センター(CPC)を使用し作成した。
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