2004 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的荷重負荷による骨の構造強化作用における低リポ蛋白受容体シグナルの役割解明
Project/Area Number |
16390446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90248576)
沖本 信和 産業医科大学, 医学部, 助手 (70330991)
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Keywords | 非荷重 / 不動 / 海綿骨 / 副甲状腺ホルモン / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / RANKL / Mac-1 |
Research Abstract |
非荷重状態では、副甲状腺ホルモン(PTH)間欠投与によるc-fos発現亢進が抑制されるため骨形成増加効果が減弱すること、PTH投与により未熟な骨芽細胞の割合が増加するためRANKLの発現が増加し、破骨細胞形成が亢進すること、を明らかにしてきた。 今年度は、非荷重後の骨髄細胞において、PTHシグナルが破骨細胞分化を促進しているか否かを検証する目的で研究を行った。6週齢の雄性、ddYマウスを用いた。1週間の予備飼育ののち、右後肢の坐骨神経を切除し、非荷重・不動とした。左後肢の坐骨神経は同定するだけの偽手術とした。この処置をしたマウスを2群に分けて、一方には、甲状腺副甲状腺を摘出(TPTX)し、0.2μgのthyroxineを週3回投与した。他方は、甲状腺副甲状腺を同定するだけの偽手術とした。 脛骨二次海綿骨量(BV/TV)は、非荷重・不動により、有意に減少した。破骨細胞面(Oc.S/BS)と破骨細胞数(Oc.N/BS)は、非荷重・不動後3週と4週で一過性に有意に増加した。それに対して、TPTXをすることで、破骨細胞のこの一過性の増加は完全に抑制された。脛骨骨髄細胞において、非荷重・不動後にRANKL mRNAの発現が増加したが、TPTXにより抑制された。骨髄細胞中のMac-1陽性細胞(破骨細胞前駆細胞)の割合は、非荷重・不動により変化しなかった。骨髄細胞培養液中のIL-1α濃度は、非荷重・不動により変化しなかった。 これらの結果から、非荷重・不動後の破骨細胞面と破骨細胞数の増加は、PTHシグナルをブロックすることで抑制された。これは、骨髄細胞におけるRANKL mRNA発現亢進が、PTHシグナルをブロックすることで抑制されたことと関連していた。非荷重・不動後の破骨細胞分化の亢進は、骨髄細胞におけるPTHシグナルの促進によるRANKL発現亢進と関連しているという結論を得た。
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Research Products
(3 results)