2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390447
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
鈴木 隆二 独立行政法人国立病院機構相模原病院, 臨床研究センター, 室長 (70373470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 尚志 独立行政法人国立病院機構相模原病院, 臨床研究センター, 部長 (10251258)
前田 朋子 塩野義製薬株式会社, 創薬研究所, 主任研究員 (90393024)
越智 隆弘 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80112035)
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Keywords | 関節リウマチ / 破骨細胞 / ナース細胞 / 遺伝子解析 / 炎症 / 骨破壊 |
Research Abstract |
はじめに: RA関節液および健常人末梢血単球をRA特異的ナース細胞と混合培養する事により、ヒト破骨細胞前駆細胞の分化誘導が惹起され高純度単離できる事、この前駆細胞がRANKLとM-CSF非存在下にRAで検出される炎症性サイトカイン(GM-CSF, IL-3,IL-5,IL-7)で非常に強い破骨機能を有する成熟破骨細胞に成熟分化する事を報告してきた。 目的: ヒト破骨細胞特異的遺伝子の探索を目的とした。 結果: 1.炎症性サイトカイン誘導破骨細胞(RA破骨細胞)とRANKLとM-CSF誘導破骨細胞(従来型破骨細胞)の相違点:従来型破骨細胞はMMP-9発現が観察されるが、RA破骨細胞はMMP-9以外にMMP-12の強度な発現が確認された。更に、RA患者罹患関節部の病理組織学検討により、MMP-12陽性またはMMP-12陰性でMMP-9陽性の染色像を示すTRAP陽性多核巨細胞の形態を示す破骨細胞の存在を確認した。 2.破骨細胞特異的遺伝子の探索:このヒト破骨細胞分化誘導系により、ヒト破骨細胞系の全てを純粋培養系として試験内で操作する事が可能となった。破骨細胞前駆細胞および成熟破骨細胞に特異的発現する遺伝子については、二種類のSubtraction法(IRDA法とSSH-RDA法)を用いて解析した。その結果、未知を含む20の成熟破骨細胞特異的遺伝子および15の破骨細胞前駆細胞特異的遺伝子を見出した。この中から4回膜貫通型新規遺伝子の膜蛋白をコードする遺伝子#7-44に注目して解析を行った。#7-44は成熟破骨細胞に特異的に発現し、正常の他の臓器・組織に全く発現が観察されていない。本遺伝子がコードする蛋白に対するポリクローナル抗体を用いた、RA患者罹患関節部の免疫染色から、骨吸収像を示す多核巨細胞の形態を示す破骨細胞が選択的に染色されている事が確認された。 考察: 以上から、ヒト破骨細胞の多様性もしくはRAのような炎症性疾患においては従来型破骨細胞の以外の存在が明らかとなった。ヒト破骨細胞の多様性と破骨細胞特異的マーカーの候補の探索に成功した。今後は、選択した遺伝子産物についても特異性と機能を確認する。
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Research Products
(2 results)