2004 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器系癌におけるNFκBの病態生理学的意義と新規NFκB阻害剤の有用性の検討
Project/Area Number |
16390469
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10167546)
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80185371)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00213885)
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60229234)
宮嶋 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245572)
|
Keywords | 膀胱癌 / NF-κB / 殺細胞効果 |
Research Abstract |
本研究ではヒト膀胱癌細胞株KU19-19におけるNF-κBの活性と、KU19-19に対するNF-κB阻害剤の抗腫瘍効果を検討した。in vitroの実験において、Western blotとEMSA法によりKU19-19細胞におけるNF-κBとp65の細胞内・核内での存在を確認した。また、新規NF-κB阻害剤であるDHMEQを10μg/ml濃度で2時間から8時間作用させたところ、細胞内におけるNF-κB活性が著明に抑制されることが観察された。さらにGFP-tagged p65を用いた実験では、10μg/mlのDHMEQ投与によりNF-κBの核内移行が投与後2時間から4時間まで著明に抑制されることが見出された。KU19-19細胞に対するDHMEQの殺細胞効果の検討では、DHMEQ治療群におけるKU19-19細胞の生存率は、コントロール群に比して10μg/mlの濃度で75%、20μg/mlで25%、40μg/mlでは5%に低下し、濃度依存性の殺細胞効果が見られた。また治療群ではKU19-19細胞におけるアポトーシスの誘導が確認された。in vivoの実験において、KU19-19担癌マウスモデルを作成し、DHMEQの腹腔内投与による抗腫瘍効果について検討を行った。2μg/kgのDHMEQ治療群はコントロール群に比べて有意に腫瘍の増殖抑制がみられ、4週後の治療群における腫瘍の平均体積は3110±945mm^2で、コントロール群のそれ(6019±2309mm^2)と比べて50%の抑制効果が認められた。4週後の腫瘍を摘出して免疫組織学的検討を行ったところ、治療群では血管新生の著明な抑制がみられ、MVDは9.7±3.2 vessels/fieldと、コントロール群(17.6±6.1 vessels/field)に比して有意に低下していた。また、治療群の腫瘍組織におけるアポトーシスindexはコントロール群に比して2.3倍の上昇がみられ、膀胱癌に対する新規NF-κB阻害剤の抗腫瘍効果が示された.
|
Research Products
(2 results)