2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト無精子症原因遺伝子の同定、蛋白機能解析および精子形成過程のメカニズムの解析
Project/Area Number |
16390471
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
石川 睦男 旭川医科大学, 医学部, 副学長 (20002131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30163124)
宮本 敏伸 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70360998)
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Keywords | 無精子症 / 減数分裂 / MEI1 / SNP |
Research Abstract |
無精子症に代表される男性不妊症は近年の先進国において増加傾向にあり、また男性不妊症の原因として遺伝学的素因が示唆されているものの、そのほとんどが今なお謎のままである。精子形成過程における減数分裂の異常は無精子症の重要な原因の一つであるが、そのメカニズムはほとんど明らかにされていない。しかし、マウスにおいてはいくつかの減数分裂において重要な遺伝子(Dmc1,Fkbp6,Sycp3,Spo11,Msh4,Msh5)が報告されてきた。近年、胚性幹細胞に抗癌剤を投与し生み出された不妊マウスのスクリーニングにより、減数分裂異常に起因する無精子症を呈するmei1(meiosis defective 1)マウスが同定され、さらにポジショナルクローニング法により、マウスMei1遺伝子のmutationが染色体のシナプスの欠損に起因する減数分裂停止による無精子症を引き起こすことが明らかにされた。そこで、我々はヒトMEI1遺伝子が減数分裂異常に起因するヒト無精子症に何らかの関与をしているのではないかとの仮説をもとに、マウスMei1遺伝子をもとにヒトMEI1 cDNAを単離した。またヒトMEI1はマウス同様精巣特異的に発現していた。組織学的解析により、その原因が減数分裂停止によると診断された26名の無精子症患者(アメリカ人13名、イスラエル人13名)でmutation解析を施行し、4つの新たなsingle-nucleotide-polymorphism(SNP1,2,3,4)を同定した。これらのSNPに関して、無精子症患者群と正常コントロール群においてその頻度を解析したところ、SNP3及びSNP4ではアメリカ人患者群と正常コントロール群では有意差を認めた。以上より、ヒトMEI1遺伝子はアメリカ人の精子形成過程における減数分裂において重要な役割を担っていることが提言された。
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Research Products
(3 results)