2005 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤におけるIgG輸送の鍵となるII型Fc受容体を含む新しい細胞内小器官の解析
Project/Area Number |
16390479
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188175)
後藤 忠 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50049855)
石川 朋子 日本医科大学, 医学部, 助手 (70212850)
森 美貴 日本医科大学, 医学部, 助手 (00277576)
石川 源 日本医科大学, 医学部, 助手 (20287767)
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Keywords | ヒト胎盤 / IgG / 血管内皮細胞 / IIb型Fc受容体 / 細胞内輸送 / プロテオミクス解析 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
妊娠後期胎盤においてIgGが胎盤関門(絨毛栄養膜および胎児血管内皮)を通過する際、栄養膜では胎児型Fc受容体を介してIgG輸送されると考えられている。しかし、もう一つのバリアーである胎児血管内皮におけるIgG輸送機構の詳細は不明のままである。この基盤研究により、我々が新たに見出した胎盤IgG輸送機構解明の鍵と考えられる、胎児血管内皮細胞中の輸送体(II型Fc受容体を含む小胞)の分子解剖学的特徴付けを行った。 IIb型Fc受容体のクローニングを行い、胎児血管内皮細胞に発現しているIIb型Fc受容体のアイソフォーム解析から、IIb2型が特異的に発現していることが明らかとなった。更に、定量的免疫組織化学的解析により、満期産胎盤内血管系に一様に強く発現し、臍帯入行部で消失していることが初めて明らかとなった。通常IIb型Fc受容体は血液細胞表面にb1およびb2の両アイソフォームとも発現し、免疫系に抑制的調節を行っていると考えられているが、胎盤血管内皮細胞の細胞内小胞にb2型アイソフォームのみ特異的に発現しておりFc受容体の新たな機能が予測される。 血管内皮細胞のマーカーであるCD31抗体結合磁気ビーズを用いて同一個体より胎盤内血管内皮細胞と臍帯静脈内皮細胞をそれぞれ分離し、プロテオミクス解析を進めた。このディファレンシャル解析により胎盤内血管内皮細胞にのみ優位に発現している蛋白分子の同定を進めているが、非常に沢山のスポットが存在し、解析の効率を高めるために、IIb型Fc受容体細胞質ドメインに特異的に結合する抗体を新規に作製し、IIb型Fc受容体-小胞のみを免疫沈降により単離し、プロテオミクス解析を進めている。 また、細胞内小胞輸送の観点から、この小胞輸送に関与するRab蛋白の検索を進めるために、マイクロアレー解析を現在進めている。
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Research Products
(3 results)