2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然流産におけるエピジェネティックな原因と染色体・DNA微細欠失の解明
Project/Area Number |
16390481
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
孫田 信一 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 非常勤研究員 (00100165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 教夫 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 研究員 (20291172)
山田 裕一 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 室長 (70191343)
種村 光代 名古屋市立大学, 医学部・産婦人科, 講師 (80301422)
杉浦 真弓 名古屋市立大学, 医学部・産婦人科, 教授 (30264740)
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Keywords | メチレーション / XIST遺伝子 / 自然流産 / X染色体 / 不活性化 / 欠失 / 片親性ダイソミー / マイクロサテライト |
Research Abstract |
染色体異常を伴わない自然流産の原因として、エピジェネティックな異常と染色体微細欠失の関与を検討した。 (1)X染色体の不活性化を制御するXIST遺伝子の活性をRNA-FISHで測定したところ、FISHシグナルが全体的に弱い検体やシグナルが極めて弱い細胞の比率が高い検体などを認めた。また、それらの検体の培養細胞によるX染色体のDNA複製パターンを解析した結果、一方のX染色体のDNA複製遅延を認めない細胞頻度が高いものがあった。この結果は、X染色体不活性化異常が自然流産の原因として関わっている可能性を示唆する。また、これらの検体でXIST遺伝子の特定領域の構造についてPCRで解析を試みたが、異常は検出されなかった。解析を進めるためにこれら検体の培養細胞からX染色体不活性化異常細胞のクローニングを図ったが、これまで分離したクローンにはRNA-FISHシグナルの異常は認められなかった。 (2)多数のマイクロサテライトの多型解析などにより、染色体微細欠失(各マイクロサテライトのプライマーで挟む領域)を調査した。これまでに常染色体及びX染色体の8箇所に欠失を認めた。de novoの染色体7と12の均衡型転座を有する自然流産で切断点遺伝子の解析を実施したが、特定遺伝子の欠失には繋がっていない。また自然流産に見られる転座切断点の情報を収集したが、共通する切断点をもつ症例はまだ限られる。 (3)メチル化感受性制限酵素などを用いたサザンブロット等によりX染色体上の遺伝子のメチレーションの異常の検出を試みたが、異常を示唆する検体は得られなかった。 なお、これらの検体の収集及び解析においては、文部科学省等三省合同による「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」等を遵守した。
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Research Products
(6 results)