喉頭多機能性発現に関与する脳幹神経ネットワークの解析

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16390485
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 下山 一郎 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (60115483)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中澤 建 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10312943) ; 梅崎 俊郎 九州大学, 大学病院, 講師 (80223600)
• Keywords: 喉頭 / 脳幹 / 呼吸ニューロン

Research Abstract

喉頭は呼吸、発声、嚥下、咳、くしゃみ等多機能性を有し、これらは気道の防御や摂食行動を適切に行うために不可欠な機能であるが、このような喉頭機能を発現する神経機構を解明するためには、脳幹におけるニューロンレベルのネットワーク様式を詳細に調べる必要がある。喉頭運動ニューロンとそれを駆動するpremotorニューロンとの機能的結合様式を解明するため、無麻酔非動化除脳ネコを用いて、喉頭運動ニューロンの細胞内記録を行った。喉頭運動ニューロンは反回神経の逆行性刺激により同定した。対側延髄腹側呼吸ニューロンの細胞外記録を同時に行い、spike-triggered averaging法を用いて喉頭運動ニューロン膜電位を解析し、喉頭運動ニューロンにおける呼吸性活動の入力源を解析した。その結果、1)呼気性(声門閉鎖筋)喉頭運動ニューロンにおいて、rostral VRG領域の漸減性吸気ニューロンからの単シナプス性抑制性入力の存在が確かめられ、漸減性吸気ニューロンが呼気性喉頭ニューロンの吸気相における抑制源であることが示唆された。2)吸気性(声門開大筋)喉頭運動ニューロンにおいて、rostral VRG領域の漸減性呼気ニューロンからの単シナプス性抑制性入力の存在が確かめられ、漸減性呼気ニューロンが吸気性喉頭運動ニューロンの呼気相における抑制源であることが示唆された。喉頭運動ニューロンの呼吸性活動パターン形成において、呼吸ニューロンからの抑制性入力が関与することが示された。