2004 Fiscal Year Annual Research Report
上咽頭がんにおけるマトリックスメタロプロテアーゼ1プロモーター遺伝子多型と転移能
Project/Area Number |
16390487
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古川 仭 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40092803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 智一 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (70262582)
室野 重之 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20345622)
|
Keywords | EBV / LMP1 / 上咽頭がん / SNP / ets1 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
背景:MMP1プロモーター領域-1607bpにおけるguanineは5'-GAA-3'(1Gアレル)、5'-GGAA-3'(2Gアレル)の2種類の一塩基多型(SNP)が報告されている。そして、2Gアレルは転写因子Ets1結合領域を構成する。このSNPは各種のがんの予後と相関するという報告が増えつつある。 上咽頭がんはEpstein-Barrウイルス(EBV)が潜伏感染しているユニークながんである。上咽頭がんにはEBVがん遺伝子LMP1が発現している。これまで申請者らはLMP1がEts1を誘導し、細胞の運動性を亢進させることを始め転移の各ステップを転移促進の方向に動かすことを見いだした。一方で、がん組織においてLMP1発現とEts1発現は相関するもののLMP1発現とMMP1発現は相関しないことが判明した。 1)Realtime quantative(RQ)-PCR法によるMMP1プロモーター1G/2G SNPのタイピング 1G領域のDNA配列に相補的配列を持つプローブ5‘側をFAMという蛍光色素で標識する。2G領域のDNA配列に相補的配列を持つプローブ5‘側をVICという蛍光色素で標識する。それぞれの色素は3'側に消光物質を結合させているのでふだんは蛍光を励起できないが、PCR反応を行いプライマー伸長反応がハイブリダイズしたプローブをエキソヌクレアーゼ活性で分解すると消光物質との距離が拡がり、蛍光を励起するようになる。これらプローブ、プライマー、DNA試料、PCR反応試薬を混合してABI prism7700によりRQ-PCRを行いSNPタイピングを施行した。この結果、本方法にて45例中43例にタイピングが可能であった。 生存率と遺伝子型の比較 患者の臨床データと比較し、とくに、粗生存率・無病生存率を中心とした各種データと遺伝子型との関連性について、Kaplan-Meier法により算出する。仮説「1G/1G群の予後は2G/2G群と比較して良好である。」をLogrank testにより検定した。すると1G/1G群の予後は有意に良いことが判明した。
|
Research Products
(3 results)