2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイとRNA干渉を用いた眼内血管新生の研究
Project/Area Number |
16390496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 長久 京都大学, 医学研究科, 教授 (70211662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
鈴間 潔 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)
片井 直達 信州大学, 医学部, 講師 (10260572)
渋木 宏人 信州大学, 医学部, 助手 (70313864)
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Keywords | 未熟児網膜症 / 糖尿病網膜症 / 網膜血管新生 / クリスタリン / DNAマイクロアレイ / siRNA |
Research Abstract |
Smithらの方法に従い、網膜血管新生モデルマウスを作成し、網膜血管新生の経時変化を詳細に検討した。更に、上記マウスより経時的に神経網膜を採取し、RNAを抽出し、Affimetrix社製Gene Chip MGU74 Av2とハイブリダイゼーションを行い、遺伝子発現の変化を検討した。このマイクロアレイには、12,448のcDNAとESTが含まれている。それらのうち、129個(1.03%)の遺伝子で2倍以上の発現の増減を認めた。発現増加が認められたのは、VEGF(vascular endothelial growth factor)、IGF(insulin-like growth factor)を含む49遺伝子であった。その一方、80遺伝子では発現の減少を示した。発現増加を認めた遺伝子の中で、βB2クリスタリンとαアクチンの発現が生後12日目に一過性の上昇を示した。抗βB2クリスタリン抗体と抗αアクチン抗体を用いて、免疫組織化学的に2つのタンパクの局在を検討した結果、両者ともに、網膜新生血管を構成する血管内皮細胞を取り囲むように存在するグリア細胞に発現していることが分かった。次に、βB2クリスタリンに対する特異的なshort interfering RNA(siRNA)を合成し、RNA干渉実験によって網膜新生血管の発生が抑制されるかどうかを判定した。生後12日目、14日目、17日目にsiRNAを静脈投与したところ、Real time PCR,Western brottingによる解析で、siRNAは、生後15目目、17日目の網膜におけるβB2クリスタリンの発現をRNAレベルでもタンパクレベルでも抑制することが明らかとなった。また、このsiRNA実験により、網膜血管新生モデルマウスの血管新生が有意に抑制されることも分かった(P<0.01)。 以上の結果より、βB2クリスタリンが網膜新生血管の発生に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 これらの結果については、現在、論文を作成中である。
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