2004 Fiscal Year Annual Research Report
機能化高分子ナノミセル構造体(人工ウイルス)を用いた新しい組織再生支援システム
Project/Area Number |
16390506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 智明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00302688)
近津 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30343122)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30344451)
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (10241994)
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Keywords | 高分子ナノミセル構造体 / RGDペプチド / Artery wall binding peptide / Reverse transfect |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、(1)標的組織に選択的に対応する分子認識ペプチド付高分子ナノミセル構造体の創製、(2)創製した高分子ミセルのin vitroでの機能評価、(3)ラット背部皮膚のaxial flapモデルを用いたin vivo評価、の3点であった。 (1)の分子標識ペプチドに関しては、RGDペプチド付のミセルに加え、RGDペプチドを環状に連結させた環状RGDペプチド付きミセル、artery wall binding peptide(AWBP)付ミセルを創製した。環状RGDペプチドは、広範な細胞種への接着能を有し、その接着能も単純なRGDと比較し極めて強いことが知られている。一方、AWBPは、動脈壁細胞に特異的なリガンドペプチドである。 上記で創製した分子認識ペプチド付高分子ナノミセル構造体にレポーター遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子)を含有させ、各種培養細胞に対する遺伝子導入効率の検討行った。環状RGDペプチドを付加したミセルは、用いた細胞種による差異はあるものの、リガンドなしの高分子ミセルや単純なRGDリガンド付のミセルと比較して有意に高い遺伝子導入効率を示した。また、AWBPに関しては血管平滑筋細胞のプライマリー培養細胞を用いて検討し、リガンドなしのミセルと比べ高い導入効率を示した。 (3)のin vivo実験では、recipient bedに対する遺伝子導入を想定して、筋組織への遺伝子導入をレポーター遺伝子を用いて施行した。しかし、RGD付ミセル、環状RGDミセルとも、リガンドなしのミセルと比較して有意な導入効率の改善を認めることができなかった。また、ラット頚動脈を用いてAWBP付ミセルによる導入実験も試みたが、同様にコントロールを比べ導入効率の改善を観察することができなかった。
|
Research Products
(6 results)