2004 Fiscal Year Annual Research Report
Adenovirus vectorを用いた神経細胞および軸索再生経路全長の研究
Project/Area Number |
16390509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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Keywords | 腕神経損傷 / LacZ遺伝子組換えadenovirus / Oberlin法 / 神経再生経路 / 神経端側縫 |
Research Abstract |
(目的)腕神経損傷に対する神経移行術のひとつであるOberlin法に類似したラットモデルを作成し、神経端側縫合モデルとの神経再生経路の相違に関して、LacZ遺伝子組換えadenovirusを用いた神経トレースにより検討調査する。 (方法)ラット尺骨神経のfuniculus径の約三分の一にわたる切れこみを入れ、その断端を筋皮神経遠位断端と端々縫合したモデルを10頭作成。各モデルに対し、LacZ遺伝子組換えadenovirusを使用し、神経再生経路をトレースする。 (結果)以前の実験で、支配髄節のレベルが異なる尺骨神経と筋皮神経において、尺骨神経に筋皮神経を端側縫合した場合には、元の尺骨神経の支配髄節に、筋皮神経の支配髄節を加えた範囲に軸索染色が認められる例があったが、今回の部分的端々吻合のモデルでは、尺骨神経の支配髄節にのみ軸索染色が認められ、筋皮神経の支配髄節に軸索染色は認めなかった。 これまでは一般に、筋皮神経を尺骨神経に端側縫合した場合、尺骨神経からcollateral sproutingにより、筋皮神経への神経再生が起こると考えられていたが、我々の実験から神経を端側縫合した場合のみに何らかのシグナルが送られて、元の神経細胞から神経再生が起こる可能性が示唆されている。 現在これらを証明するための追加実験として、wistar系ラットを用いて、端側縫合モデルと端々縫合モデルを各10頭作成し、脊髄切片の観察や、二重染色法も加えて実験を進めている。
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