2005 Fiscal Year Annual Research Report
Adenovirusvectorを用いた神経細胞および軸索再生経路全長の研究
Project/Area Number |
16390509
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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Keywords | adenovirus vector / neurotoracing / nerve regeneration |
Research Abstract |
今年度、研究中途に、LacZ virusを用いた神経線維染色について以前に比べで、染色能力の低下および、不安定性が、出現した。この原因を見いだすためにウィルスの力化試験および、X-gal反応液のチェックを段階的に行った。その結果、ウイルスの力価低下が原因と考えられたため、新たに作成したウイルスを入手して染色を再度行い,安定して、良好なtracihgを行うことが可能となり、正常神経線維のみならず、再生神経線維を安定して染色できることを確認した。 ラット脊髄から末梢神経に至る連続した神経標本の取り出しは、丁寧な操作と長時間作業を必要とするが、標本固定のタイミング、脊椎の部分的、段階的な切除手順の確立により、脊髄神経とともに、第5頸髄神経根から、第1、胸髄神経根から腕神経叢さらに末梢神経を一塊に取り出し、染色固定及びグリセリンによる透明化により、末梢神経全長の標本作成が可能となった。 ラット筋皮神経を切離し、その遠位断端を尺骨神経もしくは、正中神経に、端側吻合するモデルで、後根神経節はもちろん、前根糸から脊髄前角の運動ニューロンにかけてのルートをトレース可能な標本が少しずつ作成されている。 今年度末にこれまでのNikon実体顕微鏡に替わり最新のZeiss社の電動ステージ付き実態顕微鏡を新規導入し、これまでにないシャープな画像を撮影できるようになった.この顕微鏡により後根神経節の軸索再生状態の観察もこれまでになく詳細に行えるので、今後、その再生線維分岐部同定もできると考えられる。 また、三次元解析用のソフトウエアー導入により、後線神経節細胞、及び前角細胞の再生軸索分岐部画像を三次元画像再構築することにより再生神経発芽部位について新たな検討を行う予定である。 ヒト腕神経叢ひきぬき損傷の再建では損傷と反対の健側第7神経根を用いた神経移行(交叉)が臨床治療の選択枝の一つとなっているが、この手術操作を行っても健側第7神経根損傷の脱落損傷が予想外に軽微であることが知られている。これには、大脳化可塑性機能が関与していると考えられるが、第7神経根の上下神経根が手術操作によって誘発された可塑性機能伝達経路を担っている可能性があるのでラットを用いて第7頚髄神経切離後に、その近位断端からLacZ adeno virusを導入し、その染色経路を検討予定である。
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