2006 Fiscal Year Annual Research Report
Adenovirusvectorを用いた神経細胞および軸索再生経路全長の研究
Project/Area Number |
16390509
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柴田 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (50196432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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Keywords | nerve crossing / brain plasticity / spinal cord plasticity / misdirection |
Research Abstract |
目的: 腕神経叢損傷後における肘屈曲機能再建手術として筋皮神経運動枝遠位断端を尺骨神経または正中神経の神経束と交叉が最近注目されており、この手術により独立した肘屈曲機能が獲得されている。この神経交叉術は、これまで過誤神経再生を来すので、従来行ってはいけない手技と考えられてきたにもかかわらず、予想外に良好な結果がえられており、この機能回復には大脳の可塑性とともに脊髄にも同様の可塑性が作用している可能性があると仮説をたて、これを実証するために以下の実験を行った。 方法:41頭のWisterラット上肢を用いてコントロールとして正中、尺骨、橈骨、筋皮神経の支配髄節を検索し、脊髄神経支配髄節が重ならない筋皮神経と尺骨神経の交叉手術8週後に交叉縫合部の末梢部からlacZ遺伝子組み込みアデノウイルスを感染させ2週後に全身潅流後に脊髄を腕神経叢と一塊に取り出し、X-gal染色し、神経再生経路の全長を観察した。 結果: グループI(コントロール):支配髄節の分布は筋皮神経C5-C7、正中神経C6-Thl尺骨神経C8-Thlであり、ヒトにおけるそれと一致しており、筋皮神経と尺骨神経の支配髄節レベルの重なりはなかった。グループII:筋皮神経近位端に尺骨神経遠位端を縫合したモデルの縫合部遠位からのウイルス導入によりC5-Th1髄節(7/7)が、逆の神経組み合わせ縫合遠位(筋皮神経遠位部)からのウイルス導入でC8 and Th1髄節が染色された(7/7)。 考察: これらの結果から、過誤神経縫合とも言える神経交叉術後には、これまで全く考えられてもいなかった脊髄レベルで、本来の支配髄節からの神経再支配が起こることが示された。 現在、この結果を補足する目的でグループIIの数の追加と筋皮神経あるいは尺骨神経を切離後直ちに縫合し、8週後に縫合部遠位部からのウイルス導入モデル結果を評価中である。
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Research Products
(1 results)