2005 Fiscal Year Annual Research Report
HMGB1蛋白質の分泌制御機構とシグナル伝達機構および臨床的意義の基盤解析
Project/Area Number |
16390517
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
尾崎 承一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00231233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (90260752)
平 泰彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (00154724)
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
小池 薫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10267164)
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Keywords | HMGB1 / HMGB1受容体 / シグナル伝達機構 / B細胞エピトープ / 細胞障害性T細胞 / T細胞エピトープ / 肝不全モデル / HMGB1吸着療法 |
Research Abstract |
High Mobility Group Box蛋白質(HMGB1)は真核細胞に遍く存在する核蛋白質であるが、可溶性HMGB 1は敗血症性ショックのメディエーターとしても注目されている。本研究では、HMGB1、特に可溶性HMGB1の細胞外での機能発現と各種病態における臨床的意義の解明を目的とした。 昨年度は抗HMGB 1モノクローナル抗体(FBH7)の主要エピトープがHMGB 1分子のアミノ酸残基52-56よりなる「立体構造」であり、この構造はHMGB 1の由来する細胞により異なることを明らかにした(J.Biochem.136:155,2004)。本年度はヒト全身性自己免疫疾患(膠原病・炎症性腸疾患・自己免疫性肝疾患)の患者血清中の抗HMGB 1抗体のエピトープマッピングを行なった。収集したすべての検体の解析は終了していないが、検索した範囲ではヒト患者血清においても、同様のエピトープ特異性の傾向を見出した。 一方、HMGB 1分子内の細胞障害性T細胞(CTL)エピトープを、HLA-A2.1への結合性を指標に探索した。その結果、アミノ酸残基12-20の9-merに既知のエピトープ(p17-WT)と同程度の結合親和性を認めた。このことから、HMGB 1がHLA-A2.1拘束性のCTLを誘導しうる可能性が示唆された。 これまでに、可溶性HMGB 1が臓器不全患者の血清中に高濃度で検出されること(日救急医会誌14:723,2003)、致死性肝障害モデルマウスにおいて抗HMGB 1モノクローナル抗体が延命効果をもたらすこと(J.Surg.Res.124:59,2005)を報告したが、本年度は血中HMGB1を標的とした治療法の開発を視野に入れて、既に臨床応用されている吸着膜の中で最も効率良く血中HMGB 1を除去する膜を探索した。この結果、in vitroの系でいくつかの候補を同定して、実験動物を用いたin vivoの系での効果の検討に着手した。
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Research Products
(6 results)