2005 Fiscal Year Annual Research Report
ERKを中心とする増殖シグナル蛋白質の構造・機能・発現・伝達異常と癌化
Project/Area Number |
16390520
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
加賀谷 紀貴 東京医科歯科大学, 歯学部, 教務職員 (40372437)
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Keywords | ERK / Mutation / binding protein / GST融合蛋白質 / two hybrid / 口腔癌 / SNT-2 / リン酸化 |
Research Abstract |
細胞増殖シグナル蛋白質ERK2の癌細胞における変異(E322K)と結合蛋白質を中心に前年度に引き続き解析した。(1)口腔扁平上皮癌腫瘍組織におけるERK2蛋白質を電気泳動移動度の違いを指標にした方法で変異の有無を解析した。前年度の結果と同様ERK2の変異は見いだせなかった。したがって変異率は低いものと考えられる。(2)ERKで保存されているCDドメインの321番目のD(アスパラギン酸)のアミノ酸荷電を変えたNまたはKアミノ酸はの変異蛋白はE322Kと同様SDS-PAGEで移動度の速い蛋白質として検出されたがとキナーゼドメインの250K変異蛋白質は正常型に近く、CDドメインのアミノ酸荷電の変化が物理的性質を変える性質をもつことが判明した。322K変異では、脱リン酸化酵素(MKP)との結合はpull-down法で抑制されていた。また活性化に重要なTEYリン酸化のうちYの脱リン酸化がおきにくくこれらがERKの恒常的活性化の原因と考えられた。(3)GST-結合正常型と変異型ERKと血清飢餓と飢餓+EGF刺激で得られた癌細胞株抽出物を用いて結合蛋白質をTOF-MASSにて解析した。正常型ERKではホモダイマーができるが変異株ではできにくい事を示唆する結果が得られた。ERK2と結合する蛋白質としてyeast two hybrid法で得た2つの蛋白質についてヒト細胞で結合を確認した(4)SNT-2の293-311アミノ酸領域およびNaf1のc-末端アミノ酸領域に対する抗体を作成した。SNT-2は細胞増殖、トランスフォーメーションの両者に対して抑制的であった。また、SNT-2がEGFR, ERKと3者の複合体を作り、EGFからERKへのシグナルを抑制したが、ERK2との結合に必須領域237-252を欠いた変異株(新たに作成)では抑制効果が減弱していた。なお2カ所のsiRNAを作成したがknock-downの効果は検出できなかった。NEFとリン酸化型Naf1との結合、ERK2との結合領域、低リン酸化型Naf1と変異型ERKとの結合について解析を試みた。なお抗Naf1抗体で口腔癌細胞株での発現を解析し、truncated型Naf1と細胞株間での発現量の違いを検出した。
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Research Products
(6 results)